2010年05月29日

日本はいつまで敗戦国の辛酸を舐めねばならないのか

普天間基地の移設先が、結局原案回帰で「決着」してしまった。
今までの政権の「迷走」は、場合によっては裏にしたたかな策略が潜んでいるのではないかとも思ったのだが、ここまで来てしまうと見た目通りの迷走だったと考える外なさそうだ。

福島氏が筋を通して署名拒否を貫いたことは素晴らしい。これが事態を変えるどれほどの力になるとも思えないが、村山政権樹立で権力の亡者と化した汚名を漸く雪ぐことが出来たのではないか。また、これに対し罷免という滅多に無い厳しい処分で対処したことの「異常さ」が印象付けられることで、それが即ち今回の日米合意が国民の理解を得られていないものであるということが今後も強く意識される効果があれば、ある意味一歩前進である。

一連の動きの中で、鳩山首相の最も許し難い発言は「学ぶにつけ、海兵隊の抑止力の重要性が分かった」というものだ。これは自らを認識の浅い人間と恥を晒しているだけに留まらない。首相がそれまでそうだったのと同じように今も米軍基地の県外・国外移転を唱える者に対して、これを不勉強だと侮辱していることになる。
在日米軍の抑止力とは何か、それが本当に日本にある必要があるのか、専門家の間でも意見が分かれる問題だ。ある記事によると、首相は野党時代は、在日米軍不要と説く学者の意見を汲んでそれを訴えており、アメリカ側も野党の言うことだから影響は無いと反発しなかった。ところが政権を取ってしまうと、アメリカとしてはそうした主張が現実になってしまう恐れがあるので、一転それを袋叩きにし始めた。すると首相はこれに怖気づき、米軍基地必須派の学者に「乗り換え」てしまったという。事実なら何とも情けない話だ。

しかし、これが首相擁護の理屈になるとは思わないし、またしようとも思わないが、国内にマスコミを中心とした売国奴がはびこっており、あたかもそれが主流の意見であるかの如くに錯覚させられそうな状態であったため、政権が「民意」を読み誤った面もあるかも知れない。「売国奴」というのは勿論、アメリカの意向には絶対服従して、御機嫌を損ねてはならないと唱える、産経や讀賣に代表される連中のことである。あるシンポジウムで讀賣の記者が(この際の話題は基地問題ではなく、毒ギョーザ事件だったが)いみじくも「国益や国民の利益」という発言をした。つまり「国益」と「国民の利益」は違うものだということだ。讀賣の言う「国益」とは「アメリカの利益」であるから、日本国民の利益と一致する筈がない。そのことを言外に認めたようなものである。
産経や讀賣が売国奴であったのは今に始まったことではないが、それ以外のマスコミも、特に民主政権になってからは政権を叩くことこそがマスコミの使命と履き違えたのか、政権の主張つまり基地の県外・国外移転に反する主張が正義と考え、「抑止力」を具体論もないまま金科玉条として振りかざした。民主政権にとっては四面楚歌と言える状況であったわけだ。勿論、政治家たるものこのような謀略に負けるようなひ弱な人間では駄目で、それを跳ね除けて信念を通すことが求められるわけだが。

先日は知事会が招集され、「基地負担を分担して欲しい」と首相が訴えるもまるで相手にされなかったという報道があった。これは専ら首相の体たらくをあげつらう材料として報道されているが、このほぼ全ての知事が受け入れを拒絶する光景から分かることは、つまり米軍基地は日本国内で受忍される存在ではないということだ。唯一受け入れ検討を表明した橋下知事にしても、本当に大阪に来る可能性は無いからこそ大きなことを言って見せたという見方も多いし、実際にも沖縄以上の人口密集地が連綿と続く関西に基地機能を新たに置くというのはこれまた道理が通らない。

アメリカは現行案の変更の条件として「地元の理解が得られること」を言っていたが、現行案に限っては地元の理解は不要らしい。全く支離滅裂であるが、この国に道理を求めること自体間違っていよう。
しかし、今回の「決着」が大きな禍根であるのは、政権交代をしても尚、アメリカの旧来の対日姿勢である「恫喝」が極めて有効だということを示してしまったことだ。アメリカはこれに味を占め、今後も日本に無理難題を要求し続けよう。

しかしながら、自民党政権では政策に反対する地元民を押さえつける方策が実に陰湿であった。金で釣るなどして協力者をこっそりと少しずつ増やし、そういう過程を踏むことで地域に相互不信を根付かせ、心身ともに疲弊させる。民主党になってからはそのようなことはなかったからこそ、基地反対のうねりが嘗て無く盛り上がったとも言える。この圧倒的な声を強権的に排除して基地の沖縄県内固定を強行出来るのか。今やそれが可能な時代ではないだろう。結局国外移転するより無い、説得すべきは国民ではなく米国だ、ということに政権が(その時の政権が民主党であるかどうかは関係なく)気付く日が、遠くない将来にやって来ることを願いたい。
03:02 | Comment(0) | 社会

京成の新ダイヤ発表

成田スカイアクセス開通に伴う新ダイヤが発表された

目玉の新線経由のダイヤだが、スカイライナー、特急共に1時間3本というのはあくまで「最大」であったようで、前者は1時間2本、後者は40分間隔が標準でこれは拍子抜け。本線の本数も維持したままという前提では流石に輸送力過剰と判断したか。

1時間2本なら30分間隔にすれば分かり易いところだが、20分サイクルのダイヤにそのような挿入は出来なかったのか、20分・40分間隔という変則ダイヤ。需要が増えて20分間隔に出来れば問題ないが、これが適正輸送力だった場合はこのダイヤは禍根を残しそうだ…。

一般特急の40分間隔は如何にも少ない。しかも1時間内のパターンダイヤにならないから時刻表を見ないと使えない。大人しくスカイライナー使えと言いたいのかも知れないが、これはかなり不便。
しかしこれはこれで原則羽田空港直通にすることで、空港間輸送列車として捲土重来を図るようだ。それなら尚のこと20分間隔にするとか、1時間40分も荷物抱えて乗り続けるんだからクロスシートを入れるとか…。浅草線に線内通過列車をこれ以上頻繁に走らせるわけには行かないという考えもあったのだろうか。
ところでこの特急は、「アクセス特急」という名前で「特急」とは違うようだ。種別からも経由路線が違うことを示そうとしたのだろう。しかし、種別の種類が増えること自体煩雑だし、途中で種別が変更になる(エアポート快特)のも鬱陶しい。「エアポート快特」で一本化出来なかったものか。成田スカイアクセス経由成田空港発着以外のエアポート快特のみ京成線内種別変更、で(そのようなダイヤはほぼ皆無だろうから、こうしてもさして混乱は無いだろう)。
また、こういうダイヤなので上野発着のアクセス特急が僅少。上野から乗る人間にとっては実に不便だ。羽田直通列車が40分間隔なら上野発着も40分間隔で併せて20分間隔なのか?と頭の方だけ読んだときは思ったが、そうではないようで…。

本線経由のスカイライナーも全廃ではなく、名前を変えて残すようだが、ちょっと本数が少な過ぎやしないか。1時間に1本ということ自体は妥当な線かも知れないが、運行時間帯が狭過ぎるように思う。まぁ、貧民はどうせ乗らないからこんなのに抜かれて時間食うことになる場合が少なくなるのは歓迎すべきかも知れないが。

高砂駅の金町線新ホームが完成するので、金町線は封じ込めダイヤに移行するというのが意外。線路が完全に分断されるわけではないのだから、朝夕の直通列車はそのまま残るものと思っていたが…。
一方で現状のダイヤでは輸送力不足だったようで増発。10分間隔で運行される時間帯が約3時間増える勘定だ。
このようにすることで4両編成の運用が大幅に減るようだが、復刻塗装車の処遇はどうなるのか…。最近サボっていてまだファイヤーオレンジを撮っていないのだが、千住大橋では撮れなくなってしまうかも知れない。

尚、ダイヤ改定の告知は北総線からも出ている。アクセス特急の内容はこちらの方が若干詳しい。
この書き方を見ると、アクセス特急と北総線列車(各駅停車)は日中は接続しないと読める。それでいて通過待ちが多いというから沿線住民には踏んだり蹴ったりだ。上手く組めなかったものか。
しかし、「通過待ちにより所要時分が増大し」などということは大抵は黙っているものだ。わざわざ書くということはよほど酷いのだろうか…。
また、一部の俗称だと思っていた「上野線」という言葉が正式に使われていることにも驚いた。
02:05 | Comment(0) | 交通

2010年05月26日

高速バス東京茨城空港線

茨城空港利用促進策としてかねてから計画されていた東京駅直行バスが明日から運行される
運行主体が関鉄観光(関鉄観光バスではない!)であることから、これは正規の路線バスではなくツアーバスの類であると思われる。補助金前提のダンピング運賃であることが正規路線バス扱いにしない(出来ない)理由と思われる。
そして、その関係からか東京駅の乗降場所が通常の高速バスと異なる。これは調整が付き次第通常の高速バス乗降場所に移転する予定と言うが…

ただ、予約先の電話番号を調べてみると、これは関鉄観光の番号ではなく「関東鉄道」の水戸営業所で、日本一ダサい愛称で有名な夜行バスの予約先と同じだ。ここから見ると正規の路線バスのようにも思えるが、しかしわざわざ関鉄観光主体であることを明示していることからするとやはりツアーバスではないかと思うのだが、どうだろうか。明日以降現物を見に行って、車体に「貸切」と書いてあるかどうかを調べるのが確実だが。

もしこれがツアーバスだとすると、路線バス事業者が目の敵にしているツアーバスを叩く大義名分が失われることになる。このバスは「高速バス」を「詐称」しているし、その上本来のツアーバスなら認められる筈のない正規高速バス乗り場の使用を予定している。これは逆に路線免許を持つ事業者による不正競争と言われても仕方がない。だから尚のことこれは正規高速バスであって貰わねば困るが…。

ところでこのバスは千代田石岡ICから空港まで下道を走るが、その経路の一部である鹿島鉄道廃線跡のバス専用道化が夏に完成するらしい。話だけで立ち消えになるものと思ってたら、真面目にやっていたとは…。しかも大幅増便ということで、なんとも景気のいい話である。
勿論便利になるのは歓迎すべきことだが、大丈夫なんだろうか…。
23:27 | Comment(4) | 交通

2010年05月21日

福島交通にICカード導入

かなり旧聞ではあるが、今更気付いたので…

福島交通が「新」ICカードを導入するそうだ。「新」というのは、今でも郡山管内でICカードが導入されているので、それと違うシステムということ。

福島交通は福島市内の一部路線に磁気カード導入、次いで郡山管内にICカード導入、そしてそのまま拡大もせず10年近く放置という、一体何を考えてるのかよく分からないことをしていた。

そして今回漸く全体にICカードを導入するということだが、折角導入している郡山のものを拡大するわけではなく、別のシステムを新しく入れる。Felicaではないので今後の互換性が無いということだろうが、実に勿体無い。
更に、今までの迷走振りを引き継ぐようなことが1つ。何故か自治体の補助を受けている「生活バス」にはICカードを導入せず、わざわざ新たに磁気カードを導入するというのだ。一体どういう事情があってこんなことになるのか…。ICカードを導入せず放置ならまだ分からないでもないものの、磁気カードをわざわざ導入ですよ…。

東急トランセもPASMO導入に当たり、それまでの専用ICカードが互換性を持たせられないために廃止し、代わりに専用磁気カードを導入するという妙なことをやったが、これはまだ理由が分かる。それに引き換えこちらは…。
02:39 | Comment(0) | 交通

2010年05月20日

NYが自転車親和化

WBSで、ニューヨークで急速に自転車利用者が増え、自転車利用環境も整備されているという特集をやっていた。

環境整備とは、自転車道整備は勿論のこと、商店では自転車客の割引、企業では駐輪場整備や「公用車」の配備など。どれを取っても日本から見ると羨ましいものだ。特に自転車利用者割引など、自転車にはどんどん課金しようとしている日本とは正反対だ。

NYをはじめとするアメリカに限らないが、今まで自転車がマイナーな存在だったからこそ、そのプラスの面が注目され、社会全体でのバックアップに繋がるのだろう。

一方日本のように既に普及してしまっていると、マナーや安全性といった問題点ばかりが取り上げられてしまう。勿論実際に問題ではあるのだが、これを解決ではなく排除の方向に持っていってしまうのが困ったところ。最近の鉄道ジャーナル誌でも、鈴木文彦氏がコラムで「自転車はマナーを改善しなければ市民権は得られない」と書いていた。交通の専門家故、自転車を使える環境が貧弱であることを充分認識した、その上での言である。自転車に対する無理解を如実に表す例と言えよう。

ところでNYといえば、20年くらい前でも時々自転車を見かけることはあった。しかし駐輪方法が独特で、前輪を外してあることが多かった。治安が極めて悪いので、完全な状態で置いておけば即刻盗難に遭うからであろう。
今になって急速に普及しているのは、治安改善の効果もあるのかも知れない。
00:07 | Comment(0) | 交通

2010年05月17日

エプソンの「カートリッジレス」プリンタ

エプソンがインクカートリッジが無いプリンタというものを売り出すらしい。

例によって念仏のように「環境負荷低減」とあるが、このような仕様を考案した真の目的は非純正補充インクの排除だろう。しかし純正インクしか使えないようにして割高になるばかりでは支持が得られないと考えて、従来品よりはランニングコストを低くしたものと思われる。それでも従来品で非純正インクを使うより安い、とまでは行かない筈だ。

そして、その排除作戦のキモである「インク補充サービス」はどうだろう。いちいちプリンタを丸ごと引き取って貰い、(その間代替品が提供されるものの)それなりの日数を掛けてから漸く補充された品が届く。これはかなり鬱陶しいのではないか。確かに自分でインク交換作業をしなくて済むので楽だと考える人もいるかも知れないが、頻度の違いがあるとは言えカートリッジを交換するよりプリンタの配線をいちいち外して本体を動かす作業の方がやはり面倒ではなかろうか。

ということで、ユーザーにそれほどメリットがあるように思えないのだが、どれほど売れるだろうか。
01:50 | Comment(2) | 社会

全日空がサンパウロ便運航

記事のタイトルを見て、日航の穴埋めに随分積極的だなぁと思ったが、よく読むとANAカラーが南米で見られるようになるわけではないらしい。詰まらん。

この距離だとそもそも直行便は無理なので経由便になるのは必然であり、経由便であれば一旦降ろされるのが原則である以上、同じ飛行機が最後まで飛ぶか、経由地で別の機材に乗り換えさせられるかは客にとってはあまり関係の無いこと、これを1つの便と謳ってもいいのかも知れない。少なくとも鉄道の途中駅での「車両交換」に比べれば…。

しかし、預け入れ荷物はいちいち積み替えることになる。そしてそれが悪評高いロンドンとなると、ロスト多発の悪寒…。

逆に言うと、こういう扱いをする現状では最早直行便扱いと乗継の区別をする意味がなくなってきているのではないか。

ところで、今までのブラジル便はヴァリグにしろ日航にしろアメリカ経由だったが、アメリカは入国審査が鬱陶しくなり、しかもそれを乗継客にも強要するので甚だ評判が悪い。今回ロンドン経由としたのはそうした声への配慮があるのか、それとも単純に2つの便を繋ぎ易いのがロンドンだっただけのことなのか。
01:34 | Comment(0) | 交通

2010年05月14日

高速バス用賀降車扱い実証実験

常磐道高速バスの東京方面が八潮PAで降車扱いをし、つくばエクスプレスに乗り換えて東京方面に行くことが出来るというサービスがそれなりに評判だが、同様のことを用賀PAでも行うという。

八潮パーキングエリアは地上にあるため、本線からは長いランプウェイを降りていき、また上らなければならないため、立ち寄りのロスが大きい。一方用賀は本線脇なので殆どロスが無い。その反面、降車してからの脱出方法が問題だ。業務用の階段を使わせるのだろうが、それなりの整備はするのだろうか。折しも用賀パーキングエリアは改修工事中だが、今回の実証実験に伴う整備も行うのだろうか?

実験段階なのであまり細かい突っ込みを入れてもしょうがないかも知れないが、気になるのは八潮と違い、渋滞が無い場合は停車しないということ。八潮の場合は主旨である渋滞回避に加えて、目的地がTX沿線なのでここで下車した方が便利という需要も少なくない。そのような需要に応えられれば、道路混雑とは関係無しに利便性を向上させられるし、そういう需要があるかどうかを見極めることも実証実験の意味ではないだろうか。

東急線の乗車券は100円で、これは八潮でTXに乗り継ぐ場合と同額だが、こちらの方が短距離且つ賃率が低いため、高々半額にしかならない。それでも100円というのは実際の運賃の高低によらず最低限の負担として妥当な金額ということだろうが、問題なのは子供同額という点。これでは子供にとっては意味が無い。
また、購入した乗車券は改札で本物の乗車券に引き換えるとあるが、わざわざこのために専用の乗車券を用意するのだろうか?普通の190円区間の切符を渡される気がするのだが…。そうだとすると、逆方向に乗ってもいいことになってしまう(むしろそうあるべきとも思うが)。そうではなくわざわざ専用乗車券を用意するとしたら、乗り越しの扱いはどうなるのだろう。乗り越し区間の運賃を別途払うのか、渋谷までの運賃との差額か。

また、今回の実験対象路線は新宿行きの各線も含まれ、この中には池尻大橋や渋谷に停車するものもある。特に池尻大橋は今回の実証実験の意図するところと存在意義がかなり似通っているが、どうなるだろうか。池尻大橋の方が乗り換えは近いが、乗継切符を買える分用賀で降りた方が安くなる。池尻大橋を廃止して用賀に振り替えれば、中央環状線を利用して新宿附近まで高速経由で行くことが出来るようになり、速達化が図れる。下りは用賀を使えないのでそうは行かないが…。

実証実験の対象になっていないが、夜行バスでも実施すれば意味はあるだろう。但し、夜行バスはトランクに荷物を預けている可能性が高いために降車に時間が掛かり、狭い降車場を長時間占拠してバス渋滞を引き起こす恐れがあるのがネックか。
02:45 | Comment(0) | 交通

2010年05月12日

デフレ叩きの恐怖

最近、デフレ悪玉論がかまびすしい。ある評論家に至っては「私が今まで唱えていたデフレの悪さを漸く世間も気が付いた」とご満悦である。とんでもない話だ。昔からデフレを好意的に捉える論調など、まず聞いたことが無い。むしろ、必ずしも同義ではない「値下げ」と「デフレ」を同一視し、値下げを即デフレ即ち悪として叩く論調が増えていることこそ、最近の傾向だろう。

そして、安値で物を売る店を批判し、値上げこそ美徳のように言う。果ては消費者の声として「安いのは心配だ」などと言わせる。マスメディアが一丸となって消費者を洗脳し、過剰な支出を促そうとしているようにしか見えない。

小売価格の引き下げは、その商品の製造過程で発生する費用を過剰に切り詰める結果、それに関わる労働者の賃金を不当に切り下げることになる。それは安値を求める消費者自身へのしっぺ返しとなる。だから高いものを買わなければならない。これが現在流行の「デフレ悪玉論」(正確には「値下げ悪玉論」)の端的な内容だ。

しかし、とんでもない話である。

まず、百歩譲ってこれが正しいとしよう。しかし、このような循環が一周するにはタイムラグがある。例えば消費者が進んで高いものを購入すれば、即その場で自分の給料が上がるわけはない。当然のことながら一番最初に行動を起こした人が、その効果の波及を受けるまでに一番待たされるわけであって、この場合は一番損をすることになる。これはループのどの位置の者であっても同じことだ。では、その貧乏籤たる役割を、何故一番立場の弱い、貯蓄は減少傾向にあり、給料も年々切り下げられる消費者に押し付けるのか。小売業の卸元に対する不当な価格切り下げ圧力がけしからんと言うのであれば、そこをまず叩くべきではないか。

次に、そのような価格切り下げ圧力は、「デフレ」だから起きるというものではない。もっと正確に言うと、インフレに転じたからと言って弱まるとは限らない。品物が同じなら、その市場価格がどうなろうとその途中段階での価格交渉の力関係が変化するものではない。上流側つまり大抵において弱い側は、常に値下げ圧力に晒されることになる。物流業界が、高速道路や燃料が値上げになっても運賃に転嫁出来ず、値下げになれば値下げ分以上に運賃値下げを要求されると嘆いている構図が典型的だ。単純に小売価格を引き上げる方向にトレンドを持って行っても、小売業の利鞘を増やすだけの結果となりかねない。

そして、昨今の情勢として叩かれている「デフレ」が必ずしも正しくないということが重要だ。

「デフレ」魔女狩りの標的としてよく引き合いに出されるのがユニクロと牛丼だ。この2つを見てみよう。

まず、低所得階級なら実感頂けるだろうが、ユニクロは実はちっとも安くない。本当に安く衣料を手に入れたければ他に幾らでも店はある。勿論品質も相応なものであるが。
そして、ユニクロが低価格戦略を取っていることが「問題視」されているわけだが、確かにユニクロレベルの品物の値段の引き下げにはなっている。しかし、それよりも「安物」の値段は別に下がっていない。昔からの値段が既に底値なのだ。これは衣料に限らない。食料品や日用品の価格で言えばイトーヨーカドーやジャスコが引き合いに出され、その値下げ戦略が報じられる。ところがそれすら高くて手が出せないと思わせるロヂャース顧客にしてみれば、ロヂャースの価格は殆ど変わっていないのだから実感は無い。
つまり、世間全体で無理な価格切り詰めを行っているというより、中流価格帯の事業者のコスト構造が低目に移動しただけということだ。それに、原料価格の値上がりなど様々な理由をつけて、価格が上昇している品目も少なくないことを忘れてはならない(こうした価格上昇は前提理由が消滅しても解消しないことが多い)。

そして牛丼。大手3社の決算発表が出揃い、吉野家一人負けであることが大きく報じられている。そして、すき家と松屋の値下げ合戦が消耗戦だと批判的に言われる。
しかし、すき家・松屋の価格はBSE騒動前の水準に戻ったに過ぎず、当時をダンピングだと騒いだりしなかったことを考えれば、現状も何ら異常な状態ではない。吉野家が値下げしない(出来ない)のは供給の少ないアメリカ牛に拘るという実にくだらない意地を張っているからに過ぎず、吉野家の高価格が適正水準なのではない。

兎に角、立場の弱い消費者が高邁な自己犠牲の精神で割高なものを買うようにしたところで世の中が良くなるとは限らず、逆に小売を増長させることに繋がりかねない。あくまで安い(「品質の割に」であっても良い)ものを追求するのが余力の無い我々のあるべき姿だろう。
00:49 | Comment(0) | 社会

2010年05月05日

福岡のガソリン"協定"価格

福岡に来る度に感じるのだが、ガソリン価格の横並びが徹底している。

勿論安く横並びなら消費者として批判する理由は無いのだがそんなことはなく、東京近郊と比べて高めである。
今回は、東京を出るときに130円で給油してきたが、こちらは何処へ行っても138円。

統一価格はセルフスタンドも例外ではなく、これではセルフの価値が無いので結局セルフ店自体があまり多くないようにも思う。

違う値段で出している店もゼロではないのだが、よほど頑張って探さないことには行き当たらない。
ここまで徹底していると、業界団体による価格協定遵守が行き届いているのではないかと思わざるを得ない。自民党の強い九州、分けても「大物」が多い福岡らしい話と勘繰るも出来る。

実はこの価格協定遵守強制を匂わせることが昨日あった。とある"協定"価格掲示の店で仕方なく給油したのだが、こちらは振りの客であるにも拘らず、出て来たレシートを見るとそれより5円も安かったのだ。実に有難い話なのだが、大っぴらにその値段を出すと吊るし上げられるのでこっそり別価格で売っているのではないかと思った。
今はその店は無くなってしまったが、大分前には周囲の店の中にあってただ1店値段を掲示していない店があった。他地域で値段が出ていない店というと高いことの代名詞のようなものだが、この店は違い、必ず周囲の店より安かった。そんな良い値段で出しているなら宣伝すべきだろうに、そうしないところも周囲からの圧力故だろうかと思ったものだ。そしてその店が消えてしまったことも…。
13:13 | Comment(2) | 日記

2010年05月01日

エアポート快特が蒲田通過で騒動?

京成、都営が随分前からダイヤ改定を予告している。
http://www.keisei.co.jp/keisei/kouhou/news/22-004.pdf
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/newsevent/news/subway/2010/sub_p_201004211_h.html
どちらも「相互直通列車の時刻変更に伴い」となっているから、「従」の変更だ。となると「主」は京急だろう(北総は相互直通列車云々とは書いてないが、まさかこれが主因とは思えない)。

ところが、京急は今に至るまで告知を出していない。これはどういうことなのか。

実際には、一瞬告知を出してすぐ抹消したらしく、その一瞬を掴んだ人々によってその謎が議論されていたらしい。

実は7月の成田スカイアクセス開業や10月の羽田国際線ビル開業により予想される大幅改定の前の小変更という程度ものではなく、京急蒲田駅上り線高架化完成により、エアポート快特を同駅通過とするという、大胆なものらしい。

そしてこれについて、東京新聞で地元が猛反発という記事が載った。京急はこの予期せぬブーイングに恐れをなして告知を取り下げてしまったらしい。

ブーイングの具体例

…今まで停車していた種別を通過させることが如何に困難かを如実に表している。

まず、京急側の拙速さから見ていこう。
当然のことながら今回は上り線だけの切替だから、最終的なダイヤ形態になるわけではない。下り線も切替となれば横浜方面からの直通列車の大幅増発が予定されており、これらの列車はスイッチバックになるから否応無しに蒲田に停車する。そして、本線系統の快特を弄るという話はなさそうだから、これも引き続き蒲田に停車し続けるだろう。そうであれば、品川方面のエアポート快特が蒲田を通過しても、最終的には蒲田は特段不便にはならないと予想される。
また、下り線はまだ高架化されていないから分岐の急曲線は解消されず(完成してもあまり変わらない気もするけど…)、通過しても大したスピードアップは期待出来ない。これから飛行機に乗ろうという人に比べ、飛行機を降りてきた人はあまり急がない。だから、空港発の列車が速いと言ってもセールスポイントとしてはちょっと弱い。まさか束のような詐欺紛いの、「最速○分」という表示を下り列車にも当て嵌まるかのような宣伝をするために使うつもりではなかろうが…。
以上のことから、地元の反発を避けるために、蒲田駅の全面完成まで通過運転を差し控えても良かったのではないかという気がする。

しかし一方で、地元の反発も首を傾げてしまうものであるのは論を俟たない。こんな理論が成り立つのなら高架区間は各駅停車にしなければならなくなってしまう。京急に法定外目的税を課税せよとか、もう滅茶苦茶だ。「大田区内に一切停車しないのは何事か」と怒り心頭の様子だが、羽田空港駅も大田区じゃなかったっけ??
地元の税金を使っておきながら見返りが無いと言うが、逆に蒲田という点のために大田区以上に都民全体の税金を使っているのに、何故地元にばかり配慮せねばならないのか。そういう都民全体からの怒りを買った場合に、地元は論理的に反論出来るつもりだろうか?
高架化の主目的、特に都や区が税金を出してそれを行っている理由は渋滞解消だということをすっかり忘れてしまったのだろうか?

京急は青物横丁も議員の圧力で特急を停車させられた前歴があるし、災難だ。

これは地元が騒いでいることとは直接関係の無いことだと思うが、残念ながら東京新聞が言うような「京急蒲田は蒲田と並ぶ主要駅」とはとても言えない。京急蒲田の乗降客数は約5万人、対して蒲田はJRだけでも約27万人。バス路線も京急蒲田は半ば無視して蒲田駅に向かうし、京急蒲田駅周辺の商店街と言っても、前後の普通しか停まらない駅の前と大差ない。他の駅と大差ないというのは実は利用客数も同様で、近隣の駅を見てみると雑色の約3万人を筆頭に、2万人前後の利用客数を数える駅が並んでいる。そもそも京急は駅が多いのでそういう核が出来にくかったという面もある。京急蒲田はそんな中の1駅に過ぎない。別に優れているわけでも劣っているわけでもない、この地域に限って見れば京急とはそういう性質の鉄道なのだ。
02:03 | Comment(6) | 交通

小田急の今年度事業計画

http://www.odakyu.jp/program/info/data.info/5353_6545114_.pdf

まず、10両編成対応化がちょっと驚いた。新宿〜代々木上原間は放置だとばかり思っていたので…。
しかし、折角各停を10両編成にしても、混雑度が偏っている状況では意味がない。乱暴に全部各停にしてしまうとかしないと混雑緩和には繋がらないんじゃないか。勿論それでは複々線の意味が無いので、例えば経堂を境に東と西で通過する列車を入れ替えるとか。
また、日中は各停の輸送力過剰になってしまうことも否めず…。本当にやるんだろうか。
まぁ、ダイヤを弄らなかったとしても、混乱時に急行が各停停車駅にも臨時停車出来るようになるのは便利だが。
ところで「近郊区間」という語をしれっと使っているが、小田急にそういう概念があるとは。一体何処までを言うのだろうか?やはり開業当時以来の考え方で向ヶ丘遊園までか?

車両面ではサービスダウンだから頭が痛い。まず3000形の10両固定化。今は新宿側4両に乗れば3000の惨禍は避けられるが、今後は運が悪いとこれに当たってしまうことになる。10両化のための増備車がどのような仕様になるかは気になるところだが、せめて座席は最低でも4000レベルの柔らかさにして貰いたい。
また、8000形も6両編成の改造が全て終わってしまったので、今後は4両への魔の手が急激に伸びることになる。今でも何編成か走っているのだから特に目新しいことではないが、やはり改造編成は
・車椅子スペースの分座席が消滅(初期の改造車では補助席が付いていたのだが…)
・座席の硬化(3000ほど酷くはないが、従来に比べるとやはり硬い)
・UVカットガラス化で車内は暗くなり、それでいてロールカーテンが無いので眩しい
と色々と欠点がある。
…要するに最近の新車の負の面を大体具備しているわけだorz
今からやる以上は車内案内表示器はLCDにしないのかと思ったが、引き続きLEDなのね…。しかもLCDだと全扉上に配置なのだが、それにも拘らずやはりケチって千鳥配置なのだろうか?

行先案内表示器も結構増やすようだが、小田急では急行利用者であり地元では地下鉄クオリティで育ってしまった人間としては、むしろこれが無い駅の存在自体に違和感を覚えてしまう。そこまで足を滅多に伸ばさないから知らなかったが、伊勢原にすら設置してなかったとは…。
01:02 | Comment(0) | 交通