2010年12月31日

政権交代の成果は

今年は、政権交代の真価が注目され、それについて大きな失望が相次いだ年であった。

失望を招いた要素は、普天間基地問題と尖閣問題に集約出来るだろう。

この2つの問題は問題の本質も民主政権の対応も非常に病巣が深いものだが、後者の事件の発生で全社の問題が矮小化、或いは「解決」してしまったことがまた大きな問題だ。つまり、中国という敵の脅威が高まったことを受けて、米国絶対論が高まったことである。中国とはあらゆる次元で関係が異なるものの、アメリカもまた日本自身ではない赤の他人であり、利害が一致するものではないということをすっかり忘れてしまった人が多過ぎる。アメリカに従うことこそが国益と考えるような人が本当に日本人の多数であるならば、日本は独立国の立場を捨てて早々にアメリカの植民地になるべきだろう。もし植民地になるなんてとんでもないと思うのであれば、アメリカを神聖視する考えが如何に愚かか少しは考えてみて欲しいものだ。

さて、民主党政権が世間に失望を与えたことは、自民党復権を望む勢力に口実を与えることになった。しかし報道の論調を見ると、やはり自民党支援或いは民主党引きずり降ろしが主目的であり、あるべき(何が「あるべき」かに拠らず)政策の実現は二の次といったものが多い。
例えば普天間問題では政府と沖縄の間で嘗てない軋轢が発生している。ここでアメリカ信奉論を唱えるのであれば、アメリカの意を全て受けることに転じ、強い姿勢で沖縄の反対を押さえ込もうとしている民主党の姿は、その思想に全く合致するものである筈であり、支援すべき存在の筈。ところが実際の報道では軋轢の発生で政府が窮地に陥った、と言うような記事ばかりで、混乱を楽しんでいるようですらある。君主が御機嫌を損ねているのだからそれを取り繕うのは喫緊の課題であろうに、それより内政の政局の方が優先するという、矛盾した姿勢が見て取れる。
尖閣問題にしても、船長釈放という屈辱的な措置を実施した直後、自民党から「我々なら逮捕せず国外退去処分にした」という、土下座の深さを競うような発言が飛び出した。すると今までは船長逮捕を当然視していた報道が、手を返したように「逮捕して事を荒立てるべきではなかった」となる。民主政権の船長釈放という行為は国を売るに等しい行為ではあるが、一方で今回の事件は中国側の今までにない凶暴な態度により起こったものであり、これまでの自民政権の対応と同一の尺度で評価出来るものではない。増徴する中国に対し自民政権の昔のやり方と同じような対応をしたら、それこそ「尖閣で何をやっても大丈夫」というメッセージを与えることになりかねないが、そのくらいのことを何故考えようとしないのか。恐らくは「自民党こそ正義」という思想がまず第一にあるからではないか。

また、民主党の評判を落とすためにマスコミが小沢問題をしつこく追及し続けたことも絶大な効果があった。世論調査で聞くことは、内閣を支持するかどうかの次に何を差し置き小沢問題。財政再建や景気対策、外交問題といった山積する課題を差し置き、一代議士の経理問題が国家の最大問題らしい。もしここで「政権がまず対処すべき問題は何か」という質問をしたなら、小沢問題を第一に挙げる人は多くはない筈だが、そのようなことをせずに「小沢一郎は問題があるか」という質問をしつこく続けることで、小沢氏、ひいては民主党にダーティなイメージを植え付けることにまんまと成功したわけだ。
民主党はそんな自民・検察・報道一体となっての小沢バッシングを半ば無視する形で、それより大きな国の課題は何かということを国民に問うことで昨年の総選挙に勝利したと言えるのだが、ここへ来て尚も続く誹謗中傷作戦に足を取られ、小沢問題をまず解決せねばという姿勢に突き進んでいる。これは最早自滅行為でしかない。

事業仕分けも当初見込みほどの財源捻出効果が無かったことや、ここへ来て閣僚が官僚に足をすくわれ族議員化していることから、これまた民主バッシングの材料となっているが、自民党政権が続いていれば無駄な事業の存在が公的にクローズアップされることすらあり得なかったということに思いが至らないらしい。

国民の期待を裏切る行為が多発し、対応の不味さでも与党としての未熟さを曝け出した民主党。しかし、それでも政権交代の成果がゼロであったわけではないし、自民党が政権を持つよりはマシであろう。失望させられた政権が来年もそのままの方向性で続くことは悲劇ではあるが、自民党が与党に返り咲いてしまうことはその比ではない惨劇だ。巷間政界再編も噂されるが、それがこうした閉塞状況を打破できる唯一の方策なのか、それとも他の策があるのか。何も策がないのであれば、自民党が利権政党の低をなさなくなるほどに弱体化するまでは民主党に頑張って貰うしかなく、国民としてもその体たらくを甘受することが次善の策なのだろうか。
22:52 | Comment(0) | 社会

2010年12月23日

ホテルヒーロー廃業

地元でもない土地の物凄くローカルな話題ですが…

帯広駅前にあるホテルヒーローが今年一杯で廃業し、その土地建物をJR北海道が引き継ぐことになったそうだ。

十勝毎日新聞の記事 道新の記事

記事にもあるとおり帯広駅前はビジネスホテルが乱立していて、見るからに過剰供給が心配になる光景だ。また、駅高架化に伴う区画整理で、比較的新しい物件が多いことも特徴。そして過剰供給から来る過当競争なのか、温泉を引いた大浴場がこの辺りでは標準にすらなってしまっている。

泊まったことはないものの、ホテルヒーローは一風変わった名前なのでちょっと気になっていたのだが、この競争からの脱落組になるとは。
2000年に再開発に伴い現在地に移転したため、今年で10周年。これを受けて「10周年特別感謝料金」なるものが設定され、それが閉鎖日より先の来年6月30日まで設定されているのが痛々しい。
しかし、これは安い…。一度泊まってみたかった。

さて、これを買い取るJRだが、そもそもホテル側からJRに売り込みに行ったというから、JRによほどの覇気を感じていたのだろうか。それとも地域で他にホテルを営めそうな有力企業が無いからJRしか無かったのか。既に帯広に出店していて競合するという条件で良いなら、帯広起業のパコもあるのだが。

JRは比較的新しい建物を買い取り、従業員もホテル名称も引き継がない方針というから、比較的リスクの低い買い物と言えよう。現在JR北海道が運営しているホテルは、当地で競合する日航ホテルとの提携であるノースランドであったり、或いは顔が見えにくい旭川ターミナルホテルであったりと、JR北海道ブランドがいまいち確立されていない。このような状況で、買い取った物件にどのような名称を与えるのか、興味深いところである。
23:58 | 社会

2010年12月17日

諫早開門判決に対する対応

諫早湾干拓事業の潮受け堤防の開門を命じる二審判決を受けて、菅首相が上告を断念する判断をした。

漁業関係者と入植営農者の利害が衝突する案件である。これを受けた各紙の社説を見ると、毎日、中日はこの政治決断を評価しつつ、入植者への影響も考慮せよという無難な論調。これに対し讀賣はやはり政権批判を前面に出し「見切り発車」とこき下ろしている。しかしながらその讀賣は、判決が出た際の社説では、両者に悪影響のない判断をという中庸な論説だった。この様子では仮に政権が上訴の判断を下したとしても批判したことだろう。そもそも絶対権力者である社主と自民党トップが並々ならぬ関係である組織だ。中立的な論説など期待出来る筈がない。

さて、開門で原告と逆に被害を受けるとされる営農者だが、これはどうなのか。

そもそも長崎県には5000ha以上の耕作放棄地があるという。干拓事業で生み出された農地は約800haなので、わざわざ作り出した土地の6倍以上が既に遊んでいるわけだ。そして今年はその耕作放棄地を解消しようという決起大会をあろうことか諫早で実施したとか。

北方領土にロシア人を移住させてロシア領とする詭弁を弄する材料とするのと同様、造成地に入植者を送り込むことでこちらもまた漁業関係者に対する抗弁材料としているのではないか、という疑念が沸く。

調べてみると、農地は基本的に貸与で、賃料は10aで年間2万円、但し最初の5年は15000円らしい。農地の賃料の相場がさっぱり分からないのでざっと調べてみると、九州の資料を探し当てることは出来なかったが、上田市で6000円、一関市で3000円から15000円など(諫早に合わせて畑地の金額。水田はもっと高い)。こうしてみると破格の条件を提示して入植者をかき集めたというわけではないように見える。長崎は平地が少ないので農地も条件が悪いところが多く、多少割高でも真っ平な土地が使えるとなればそちらを希望する流れになるのかも知れない。

尤も、こんな簡単な調べでばれるような優遇策を施していては忽ち批判されることになるから、秘密裡に手を打っている可能性も捨て切れない。

それはそうと、耕作放棄地が大量にあり、しかもその活用を喫緊の課題としているくらいなら、やはり批判を受けながら強行した干拓地をまず使おうとするのは順序が逆であろう。

また、長崎県知事が農水大臣の面会を拒絶している。これは八ツ場ダム中止が謳われた後の長野原町の対応と相通ずるものがある。議論を通じて自己主張をするのではなく、ゴネを貫き通す我侭な姿勢だ。尤もこれは、長野原のこの身勝手な姿勢を後押ししたマスコミ各社も共犯だし、これに折れて中止判断を凍結してしまった政権のだらしなさも、その手法の有用性を見せ付ける結果となってしまったことが大きい。

入植者が営農を開始したのは去年だ。一方一審判決が出たのは2年前。その時点で判決に従う判断が出ていれば、入植者が「被害」を叫ぶこともなかった筈だ。その時点では政権交代が実現していなかったから無理な注文だが、兎に角時間の経過が被害を大きくする好例である。

今後の開門で農地に影響が出るのであれば相応の補償が必要ではあろう。しかしながら入植者もこの土地がこのような曰くつきの場所であることは先刻承知の筈。例えば空港が既にある地域に後から移住すると「危険への接近」という理論で騒音被害の補償が認められないが、このような場合も似たような「過失責任」をある程度求めてもいいのではないか。

国の行う公共事業だから絶対安泰だ、という判断で入植したのだとすれば、確かに今までがそうだったから一理あることではある。しかし、それではいけないということで起きたのが政権交代であり、今回はその数少ない実績となろうとしている。それに伴って却ってコストが増大するような場合もあるだろうが、そのコストを国民全体に求めて逆に関係者には求めないのでは理屈が通らない。
00:36 | Comment(0) | 社会

2010年12月15日

高速道路の「公団ゴシック」廃止

高速道路標識のフォントを、所謂「公団ゴシック」を今後は取りやめ、「ヒラギノ」にすることになったそうな。
半年も前から高速道路3社で決めていたことらしいが、3社のサイトを見てざっと探してみたがそんなことを告知した形跡は無い。一般向けにはどうでもいい情報と判断したんだろうか。今時記者クラブ向け発表であっても同時にWebに載せるだろうから、これはプレスリリースすら出されず、朝日の出入り記者が偶々掴んだ情報ということだろうか。

個人的には高速道路というのは非日常の空間なので、この書体を見ると旅行に来たという気分になるのだが、そんなのはことの本質ではない。

また、「高速自動車国道」であれば当然この「公団ゴシック」を使うわけだが、そうではない見かけ上の高速道路は道路規格や自動車専用道路であるか否かに加え、看板のフォントが一般フォントか公団ゴシックかによっても、その道路の位置付けを知る材料になるという面もあった。こんな観点からでは間違った分析になりそうではあるが。

一般道の案内標識は当然普通のフォント(丸ゴシック)で表記されているが、その中で案内方向に高速道路があると、その部分だけ緑色になっているのは勿論のことフォントも公団ゴシックになっていて存在感を主張している…という場合もあるが、緑で目立っているのであってフォントが違うから目立っているということは無いだろう。

小さい液晶画面やLED表示でドットが足りずに画を省略するのはよく見られるし、そうするより他にどうしようもないこと(京都市営バスが行先表示を頑なに幕を続けているのは、一説にはLEDのそういう点を問題視してのことだとか)だが、看板はそういう制約は無いわけで、公団側が勝手に考えた「この方が見易いだろう」という論理(本当に見易いかどうか検証されたことはあるのだろうか?)は、利用者からの「字がおかしい」という意見に押されてしまうのは、当然の帰結とも言える。

個人的に一番気になる字は「州」。3つの点が横に結合されて、「川」に横線を引っ張った字になっているのだ。これはかなり違和感がある。
因みにこの字が出て来るのは「九州」だが、高速道路を西へ進むと、案内看板にはその先の具体的な都市名が書かれているのが普通なのに、何故か下関の先は「九州」となっているのも、本題と関係ないが気になるところ。

とは言え、趣味的には面白い存在であることは間違いなく、今後だんだん消えていく運命なのは寂しいものがある。
00:19 | Comment(0) | 交通

2010年12月10日

ビックカメラの新カレンダー

恒例の日本地図カレンダーを貰って来たので、非常にくだらないが重箱の隅をつつく考察。

・開店が予告されてる水戸店だが、水戸周辺の路線図が掲載されていない
店舗一覧には書いてあるのだが。因みに今年のカレンダーの時点で未開店だった鹿児島中央店等は店舗一覧・路線図とも掲載あり。高崎店が東京の路線図に無理矢理押し込まれていることからして、水戸も同様にするのかと思っていたが…

・九州新幹線が全通している一方、名古屋地下鉄の野並〜徳重間が無視されている
因みに福岡の路線図では、博多南線と九州新幹線が完全に別の路線として描かれている。確かに扱いとしてはそうなのだろうし、時刻表の索引地図でもそうなりそうだけど、やっぱり違和感があるなぁ。

・都電と玉電の駅を省略
今までは路面電車は同じ都市内鉄道ということで地下鉄と同格に扱っていたのを、やはりおかしいと思って改めたのだろうか。
しかしながら今までどおり他の私鉄・JRは皆灰色線なのに対し色線なので、目立ってはいる。

・東京の地下鉄のラインカラーが一部変
東西線が実際より青っぽく、南北線の色が若干薄く、副都心線は朱色に近い。

今回は高い山や長い川のベスト5なんて項目も出来たし、年々(それほど中身は無いけど)情報が肥大化してる。毎年どうやって情報を押し込むかが担当者の腕の見せ所なんだろうか。
23:44 | Comment(0) | 日記

2010年12月08日

常磐線特急に新車投入

常磐線特急に新車を入れるとの発表があった。

651系はいい加減くたびれているし、新車が入るのは時間の問題であって発表されたところで驚くことではないが、詳細を見ると意外な要素が多い。
・置き換え対象は651のみならずE653も
・編成両数変更
・運転系統を平で分割

全面置き換えとなると「フレッシュひたち」と「スーパーひたち」の区別が無くなりそうだ。そうなると「フレッシュひたち回数券」というものも廃止されて、事実上の値上げということになりそう。束の常套手段だな。
常套手段といえばグリーン車の4列化もだ。イメージイラストを見ても普通車と何が違うのかさっぱり分からない。まぁこれは有り余った金の捨て所に困った金持ちが乗るだけのことだから庶民には関係ないけど。

編成両数は7両編成と附属4両編成の組み合わせだったものを一律10両編成に。ということは中電の趨勢と似ている。しかし今度は附属編成が無いので、ラッシュ時など一部7+7の14両編成で走っている列車も10両になってしまう。輸送力は大丈夫なのだろうか。

運転系統分割は実に意外。流石に東京と仙台の間を乗り通すのは物好き程度だろうが、相馬地区と東京の間の需要はかなりありそうだし、そのために直通列車が設定されている筈。新車を10両固定編成としてしまっては平以北が輸送力過剰となるということもあるのだろうが…。
その平以北へ行く列車は現行で1日5往復。3編成もあれば足りてしまう。ここにE653を持って行くようだが、4両編成を投入するだけで事足りてしまい、大量の7両編成が余ることになりそうだ。これらは…水カツの波動輸送用の485の置き換えと、「いなほ」の置き換えくらいだろうか。

ところで肝心の新車のデザインだが…目つきは悪いが、カバにしか見えないE653よりはマシかな。赤に見える色の帯があるが、偕楽園の梅だろうか?
E653は編成によって茨城の様々な風物をイメージした異なる色にしてあって、こちらの方が洒落ていると思うが…フレッシュひたち専用車ではなく福島県にも入る(フレッシュひたちでも入る列車はあるけど)から、茨城色を前面に出すわけには行かないのかも知れない。
00:50 | Comment(0) | 交通

2010年12月06日

新宿WEバスルート変更検討

全く利用されてない新宿WEバスだが、テコ入れのためにルート変更を検討中とのこと。

一日平均200人ということは1便あたり3人は乗ってる筈だが、自分が見るタイミングで言う限りは、そもそも客が存在するだけでも珍しいという惨状なのだが…。
この体たらくだから1周年を機に廃止するんじゃないかとすら思っていたのだが、まだ生きている。

約半年前には、余裕を持ち過ぎていたダイヤを見直して平日15分間隔を11分間隔に増発したが、それでも効果は芳しくなかった。

今回は周回コースを見直すことで、西口ロータリーを無駄に1周半するコースは解消される。どちらに行くにも西口から乗れるようになるのは便利だ。しかし、見方によってはここに集約されていた無駄をコース全体に拡散させたようにも見える。また、西口バス停で西行と東行が同じ場所に停車することになるので、誤乗対策が必要になる。

新宿御苑へのアクセスが目的なら、ここまで東に延長せず御苑大通りまででもいいような気もするが…。まぁ、行ける範囲が広がるのはいいことだろうが。新宿御苑は確かに新宿駅から歩くには微妙な距離と感じる人も少なくなさそうだが、果たして受け入れられるだろうか。

また、靖国通りだと目立たないので新宿通り経由に改めるというのが何とも面白いというかおかしいというか。確かに靖国通りよりは目立ちそうだが…。そもそもバスのデザインが地味過ぎるのが問題ではなかろうか。

あと、短距離のコミバスにしては少な過ぎる停留所が増やされるかどうかも興味のあるところだ。

個人的には路線が早期廃止になって、この天窓付きの特殊車が京王一般カラーになって一般路線を走る姿もまた見てみたいものだが(ぉ
22:44 | Comment(0) | 交通