2011年02月25日

高速道路の車線増設

東名高速道路の渋滞の名所岡崎附近を車線増設するそうだ。

「増設」ではあるが、「拡幅」ではないところがミソ。車線幅を削ってもう1車線分捻出するという荒業をやってのけると。確かに新東名が開通すれば不要な投資になってしまう可能性が高いから、暫定措置として良い落としどころなのだろう。

さて、この断面図に書いてある通り、東名の車線幅は通常の高速自動車国道の規格である3.5mより10cm広い。まだ現行の道路構造令が固まる前、アメリカの12フィートという車線幅を基準にした結果だそうだ。この高々20cmが今回の車線増設の可否を決定付けた、とは思えないが、若干の余裕が確保出来たことは間違いない。そして、新しい車線幅はきちんと0.25m単位という東名建設以後に作られた基準に則っている。

3.25mあればそれでも一般道路や都市高速よりは広いので充分と思いたいところだが、やはり高速道路なので予断は許さない。しかもこのあたりは自然渋滞が多いのみならず事故も普段から多い気がするから不安ではある。しかしながら、これでもし車線幅員に起因する危険要素が無いと判断出来れば、全国の渋滞多発箇所の車線増設の道が開けることになる。特に中央道など期待したいところ。

一方関越道では、極めてオーソドックスな合流車線延長・登坂車線増設という、本当の「拡幅」。
登坂車線(実際に上り勾配なのにそうは呼ばず「ゆずり車線」としているが)は、自分が遅いことを認識していない車が入らないという致命的な欠陥がある。今回の花園附近は「サグ」であるから、上り勾配に差し掛かったことに気付かずに減速してしまうのが渋滞の原因なので、尚のことそういった車が自発的に左によけることは期待出来ない。従って追越車線を増やす方が明らかに効果的なのだが、右側に拡幅する余地が無いので、道路全体を左にオフセットした上で右に車線を発生させるという線形を悪くする工作が必要になるため、なかなか実施されない。
このようにしてしまった以上は、如何に遅い車に己の遅さを認識させて登坂車線に誘導するかが問題だ。実際に速度を計測して警告を行う速度警告看板があるが、これを逆に利用して「遅い 左へ」と出すというのはどうだろうか。

ところで、延長された合流車線だが、渋滞時にこの部分をどうするべきなのか、非常に悩むところだ。勿論合流車はここを存分に走ればいいのだが、本線走行車がこちらに車線変更するのはどうか?マナー違反とも考えられるが、一方で道路空間を有効活用しているという解釈も出来る。渋滞に悪影響を及ぼすものかどうかは、また離散モデルを組んで解析しないと分からないのだろうが…
01:42 | Comment(2) | 交通

2011年02月18日

乗換改札で運賃二重取り

五反田駅と日暮里駅の乗換改札口で、ICカードを二重にタッチすると乗ってない区間の運賃が差し引かれるというミスがあったらしい。

東急のサイトには、図解付きで比較的分かり易く説明されている。つまり、パターン2は五反田駅で降りようとしたのに間違って乗換改札にタッチしてしまい、そこで気付いて改札を通過せずに本来の出口に向かったということだろう。
一方パターン1のような事象が何故起きるのかはここからでは分かり辛いが、これはもう1社の当事者京成の告知から分かる。つまり、ICカードで私鉄に乗って来て、JRに磁気切符を使って乗り換えようとして操作を間違ったということだ。即ち、このような場合は乗換改札で「磁気切符投入→ICカードタッチ」の順に行うのが正当であるところ、誤って先にICカードをタッチしてしまい、その後磁気切符を投入するとそれだけではエラーになる(ICカードタッチは1番目の客の通常乗り換えと見做され、磁気切符は次の客の投入で別途ここまでの乗車券の投入待ち状態)ので、改めてICカードをタッチしたということだろう。

どちらの場合も、ICカードのフラグ上は一旦JR入場が書き込まれてその僅か数秒後に同じ駅での私鉄出場という扱いになり、その一瞬の間にJRから私鉄駅まで改札を通らずに大回り乗車して来たと扱われたらしい。

実際にはそんな短時間で乗車が出来るわけはないし、このようなミスタッチは想定される事態であることから、一定時間内の連続タッチでは運賃が差し引かれなくなっている筈だが、それがプログラム更新の際のミスで働かなくなっていたのだろう。

普通の切符であれば間違った改札を通ろうとした時点で弾かれるところだが、ICカードでは知らないうちに余計な「運賃」が引き落とされてしまう。それを防ぐためにこういった本来の防護機能はきちんと働くようにしておいて貰いたいものだ。
その意味ではPASMO導入時に私鉄とJRのノーラッチ接続駅にわざわざ設置された「中間改札」は、防護どころか逆にうっかりミスを誘発して多額の運賃を騙し取る(タッチを忘れると遠回りな別のノーラッチ経路の運賃計算とされる)ことが目的としか思えない。そもそもICカードがSuicaとPASMOが並立していて分かり辛いこともあるし、日本の鉄道はソフト面では極めて難解というか不親切であるように思う。外国人客にどうやってこんなややこしいシステムを説明すればいいのだろうか。

ところで、プログラム更新が発生した理由が新駅設置だというが、最近設置した新駅って?? 来月開業の常総線ゆめみ野駅対応に早々に書き換えているのだろうか。未開業の新駅の情報を追加したところで、その駅を使わない限りは(そして使おうにも使えない)何の影響もないわけだから、フライングしても弊害は無いし。
23:08 | Comment(0) | 交通

2011年02月17日

銀座線に新車投入

銀座線に新型車1000系を導入することが発表された。

以前からチラチラ話はあったが、東京地下鉄の最近の附番法則からしても11000系だろうという話があった(実際そう書かれていた資料もあった気がする)が、大胆に(?)先代の形式を襲名するようだ。

しかし、形式名より遥かに大胆なのは車体のデザインそのものですね。ここまで先代を忠実になぞるとは。

ただ、有楽町線が無かった頃の「黄色系がラインカラー」という時代(実際に、有楽町線開業前の銀座線を表す看板のドーナツはこの黄色に近い色だった。有楽町線のラインカラーが単純な黄色でなくややくすんだ「ゴールド」と呼ばれる色になったのも、黄色が銀座線というそれまでの概念を意識してわざわざずらした色にしたものと思われる)とは違うので、真っ黄っ黄に塗ってしまうのは如何なものかという気がする。申し訳程度に帯に01系と同じ配色が残されているが、存在感が薄くてラインカラーっぽくない。懐古主義もほどほどにして、開業当時の色と現在のラインカラーを上手く組み合わせたデザインを考えた方が良かったのではないか?勿論、1編成くらい完全復古調があってもいいけど。

ライトの位置も先代を意識しているが、イラストを見ると眩しくて行先が見辛いのではないかと心配になってしまう。E233等の行先が見辛いということは無いので杞憂だろうけど。

それにしても、ここまですると尚のこと東京メトロシンボルが邪魔ですね。正に「空気読め」なシンボルマーク。

イラストを見ると側面にも行先表示器が設置される模様。他路線に比べて行先の種類が少ないとは言え銀座線と丸ノ内線には不要と扱われていたのが解せなかったが、兎に角これで慌てて飛び乗って実は上野止まりでしたということも減りそうだ。

車内は最近の東京地下鉄の新車の標準スタイルの様子。しかしまだ袖仕切りの形状は試行錯誤が続いているようだ。座席は「クッション性向上」と書かれているが、それは10000系等と比べての話であって、01系と比べたらやはり硬いんじゃないのか…。まぁ多少硬くても16000系レベルならOKだが。

技術的には操舵台車が興味深い。機構イラストまで載せて解説するとはなかなか気合が入ってる。勿論特急形に採用するようなスピードアップ目的ではないのは明らかだが、このように騒音防止という方が効果が実感し易そうだ。早く乗ってみたい。
23:57 | Comment(0) | 交通

2011年02月08日

鉄道各社のホームドア設置計画

国土交通省が取り纏めた各事業者のホームドア設置計画が公表された

これを受けた報道では「285駅に『とどまる』」といった、消極的だと批判するものが見られるが、国交省が設置計画の提出を各事業者に命じたのがほんの2週間前、しかもお上が結果を纏めて公表するのにどうせ1週間くらい掛かっているのだろうから、各事業者の対処期間は僅か1週間。現段階では来年度の事業計画が固め切れていない場合もあろうし、そんな段階で実現が不確実な計画を出して後から不履行を批判されては堪らない。ということで、計画発表は保守的にならざるを得ないところではないだろうか。

束が新大久保について「可能な限り早急に工事着手」とわざわざ言及しているのが象徴的だ。しかし、新大久保駅のリスクが他の駅と比べて高いわけではなく、衝撃的な事故が新大久保で起こったのは偶々だったに過ぎない。いずれ整備をするべきではあろうが、優先順位の策定に当たってはあまり個々の事件に左右されるべきではないと思う。

京王と小田急が新宿のみに具体的計画を提示している。いずれにとっても圧倒的な存在であるターミナル駅だから、取り組みを印象付けるのに最適であるし、線路終端で徐行して入線する駅なので停止位置のばらつきも小さい。しかしその反面、徐行するからこそ転落事故が起きても急停止で間に合い、大事に至るリスクが小さい。実際に運行支障情報を見ていても、人身事故の発生現場としてターミナル駅が出てくることは非常に少ない。費用対効果を考えれば、他の駅を優先すべきではないだろうか。
因みに小田急は地上ホームの乗車ホームだけというのが、実に割り切っている。2・3番線はロマンスカーホームなので設置は困難だろうが、その意味では他の駅は全てロマンスカーが一般列車と同じホームを使うのでホームドア導入は困難だ。今後どのように対処していくのか、それともやはり無理と諦めるか。

大井町線も大井町のみの計画だが、上で述べたような事情だろう。
同じ大井町のみでもりんかい線の場合は実際に費用対効果が一番高い駅を選択したということになろうが、今度は停止位置精度の管理をどうするのかが気になるところだ。京急羽田空港国際線ターミナル駅の例はあるから特に車両側の対策無しで何とかするというのもありかも知れないが、例えばTASCを導入するのであればそれがたった1駅のためでは勿体無いから、結局埼京線・りんかい線全体への設置に向けた先行設置という性格だろうか。
ところで、埼京線は6扉車を撤去するという話にはなっていないと思うが、この対応はどうするのだろうか。6扉車の撤去を含めての「検討中」とか?

大阪市は、補助金の出所を巡って揉めたために出遅れた門真南がクローズアップされた形になっていて面白い。他の路線の選定基準がいまいち分からない(混雑度?)が、御堂筋線に導入するとなると吹田市や堺市との間で門真南問題が発生しないだろうか?
23:16 | Comment(0) | 交通

2011年02月05日

西鉄とJR九州バスが仲違い

かなり古い記事に今更気付いたのだが、高速バス福岡宮崎線「フェニックス」からJR九州バスが抜けて別路線を仕立てることになったそうだ。

原因は、JRが新幹線開業に伴い運行を予定している新八代宮崎線を巡って揉めたことだというが、さてどのように揉めたのか。

勿論西鉄の立場にしてみれば強力なライバルになって収益減少が危惧されるところではあるが、しかし西鉄の営業エリアとは関係無い路線、本来なら西鉄がとやかく言うことは出来ないだろう。
民営化当初のJRバスの恵まれた環境(営業拠点が各地にあり高速バス運行に有利、所管省庁の許可が出易い)故に民間事業者と全国的に生じた軋轢が、ここへ来て感情的に再燃したということだろうか。

一方でJRと言えば(親会社の方だが)駅前広場からの高速バス締め出しという露骨な嫌がらせが知られるところ。その「前科」を鑑みると、JR側が何かいちゃもんをつけたのではないかと勘ぐりたくもなるが、流石に因縁をつける材料は思い当たらない。まさか「新路線に客を誘導するためにフェニックスを減便しろ」なんて言ったということは無いと思うが。

JRバスのフェニックスでの存在と言えば、各社共通の専用塗装でバッチリ固めているところへ真っ赤な車で乱入するというKY振りが思い起こされる一方、「桜島」共々4列車が入ることはまず無く、サービスレベルの維持には貢献していたと言える。

仲間割れによりJRは独自に福岡宮崎線を開設するようだが、本数は少ない上に天神を通らず、利便性は明らかに低い。これで勝算はあるのだろうか。現在JRは本州方面の路線を幾つか運営して好成績を上げているが、これは西鉄が手を出していないからこそ。嘗ては大阪線(夜行)や名古屋線に手を出して見事に西鉄に完敗した実績がある。何となく「意地」でやっているような気がするが、さてどうなるか。

元々西鉄とJR九州は仲がいいとは思えないが、SUNQパスでJRバスも乗れるなど、表面的には取り繕ってきたのだろう。しかしここで本音が出たということではないか。
今後は、「桜島」からもJRが脱退することは考えられるし、SUNQパス離脱もあるかも知れない(バスネットワークの利便性が下がれば、親会社にとっては願ったりだろう)。
まずは、今回JRが運行する2つの新路線、SUNQパスが使えるのかどうか。まさか例外指定をしてまで使えないようにすることは無いと思うのだが、そうした客層を当てにしているわけではないから考えられなくもない。
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2011年02月04日

営団都営一元化検討会議

今日(もう昨日か)の会議で、経営統合は見送り、代わりにサービス面では統合に近づく施策を検討することになったようだ。

勿論経営主体が別々のままでもサービス面で垣根を感じさせないように出来れば、取り敢えず利用者としての利便性は充分だ。しかし、運賃一元化を検討するわけではなく、乗継割引の額を拡大するに留めるというのは、如何にも間に合わせだ。まぁ本当に一元化しようとしたら検討課題が山ほどあるから、すぐには実施出来ないだろうけど。

猪瀬のメディア戦略が奏功して一躍注目物件となった「九段下の壁」は、真っ先に取り払われることになったらしい。大した工事ではないとは言え年内に実施と言うから素早い。とは言うものの、これで乗り換えが便利になるのは半蔵門線渋谷方面から新宿線新宿方面への流動だけで、赤坂見附や表参道の対面乗り換えに比べて需要がある動きではないことは指摘しておきたい。猪瀬の宣伝にテレビ局がまんまと乗せられて、壁の撤去で劇的に利便性が向上するかのような言い回しばかりが目に付くので、多少冷静に見ておきたい。

この他に記事に上がっている話としては、本郷三丁目の連絡通路設置。確かに出来るものならやるべきだとは思うが、どのような形になるのか。丸ノ内線のホームは非常に浅く、改札が地上にあるという変則的な駅なので、大江戸線から地下通路を延ばしてきてもこの改札に繋ぐために結局地上に上がるのでは意味が半減する。大江戸線コンコースからそのまま丸ノ内線1番線ホームに繋がるような設計が出来るかどうか。

他には六本木と浅草の改札共用化が出ているが、どちらの駅も現状で互いに改札がかなり離れているものをどうやって統合するのか、というより、そこまでして統合する価値があるのか。下手に統合すると逆に自由通路が分断されて不便になってしまう。大衆受けがいいように駅構造は二の次で観光名所をピックアップしただけという安易な役人発想ではないかと懸念する。
00:59 | Comment(0) | 交通