2011年06月30日

沖縄への鉄道導入可能性

内閣府がアンケート調査を元に沖縄の鉄道需要予測を行ったそうだ。
これによると、「本格的な」鉄道と、LRTやBRTのような路面系に分けて需要調査を行ったという。上記沖縄タイムスより1日遅れで報じた琉球新報がやや分かり易く数字を纏めている。区間によって数字が違うので、路線全体の輸送量ではなく断面輸送量を各地で予測しているということのようだ。その意味では既存鉄道でよく出てくる数字である輸送量や輸送密度とは比較がしにくく、「○○鉄道より優れている」といったことが言い難い(断面輸送量のデータが多ければ推定出来るが)。

基本ルートは沖縄市や具志川といった中部の人口密集地を経由するものと、国道58号に沿う形となる、中北部のリゾート地輸送を重視したルートBがあり、前者が地元民、後者が観光客の利便に優れるものの、そもそもの需要は地元民が圧倒的に多いのでルートAが有利。高速鉄道か路面系かという観点では、前者が高速ゆえに長距離、後者が短距離の需要をより多く開拓出来るが、前者の潜在需要の方が多い。但し、ルート・鉄道の種類共に、需要が多く見込まれる方が建設コストが嵩むので、費用対効果ではどちらが優れているか分からない。

実際に導入を検討するなら、高速鉄道かLRTかという二者択一で考えてしまうのは勿体無い。既存鉄道網との関係(直通運転等)を考慮する必要がある内地であればそのような発想になろうが、今回は沖縄だけに最適化した輸送体系を考えれば良い。そもそも全国有数の人口密集地を走ることになるのだから、高速鉄道案を採用した場合にその用地買収は困難を極めることが予想される。市街地では用地買収が困難である一方、停車地の需要も高い。また、道路が市街地の中央を通っているので、路面に鉄道を通せば中心部に駅が設置出来る。路面走行ではスピードが出せないが、市街地で駅間距離が短ければ影響は比較的小さい。このような観点で高速鉄道と路面電車を組み合わせたものを考えてもいいだろう(それは結局LRTではないか…)。また、このようにすることで長期的には専用軌道とすべき箇所でも鉄道導入を早めることが出来、1箇所の用地買収が滞ったがために全体の開通が遅れるという事態も避けられる。

ところで、導入空間の一部は、返還された米軍基地跡地、とりわけ普天間基地跡地を想定しているのかも知れない。この時期に鉄道導入可能性の検討が本格化しているのは、普天間移転後の具体的な振興策を示すことで、辺野古移転を進めるための「アメ」をちらつかせていると考えられる。普天間基地は返還されるべきものなのでその跡地を想定して検討することは妥当だが、それが辺野古移転と抱き合わせになることは、沖縄のみならず国家全体の損害であるから何としても避けねばならない。

車両の面でも、LRTなら低床電車に拘る必要は無い。低床電車は車内空間が狭くなり、長距離乗車では快適性に難がある。都電方式で電車の床を高くして地上側で相応の対策を施すことにすれば、同じ大きさの車両でも車内空間を広く使うことが出来る。低床化がトレンドであるバスの世界でも、その究極の進化形とされるBRTが高床車両とプラットホームの組み合わせであることが示唆的だ。

また、検討には3つの支線も俎上に上がっている。このうち南部の2路線は記事中の扱いが小さいが、名護本部線は「日常利用は見込めないが観光客の1日1万人が見込める」とある。ここで、支線をどういう形態にするかが問題となる。本線から直通運転する路線とするならば鉄道の意味はあるが、乗り換えが必要なのであればバスでも利便性は変わらない。そして、この程度の需要であればバスの方が低コストで高頻度運転を行うことが出来、その点では利便性が高くなる。バスでは時間が掛かるという問題についてはPTPSのように今すぐ実現可能な施策もある。

鉄道の最大の長所は「地図に載る」ことかも知れない。バスは分かり辛く、酷い場合は来訪者に存在すら知られないために利用されない。この検討が進んで鉄道が導入されることになっても、それは長期戦だ。鉄道が導入されるまで、また、導入されない地域のためにも、バスの利便性をどのように向上するかも合わせて考える必要があろう。
23:41 | Comment(0) | 交通

2011年05月30日

西鉄バスの車外マイク騒音問題

最近、西鉄のバス停に「マイク禁止」と書かれているところを見かけることが多い。
近隣住民の苦情に対応してのものだが、これが視覚障害者には不便になっているとの記事。

路線網が複雑という事情があったからかどうかは分からないが、西鉄は以前から車内車外ともに録音放送と並行して乗務員による案内放送を頻繁に行っている。降車ボタンを押すと「はい、次停車」と反応するのも九州ならではの光景だったものだ。現在では他の地域のバスが見習っているようにサービス面では好ましいことなのに間違いないが、鉄道と違って公共空間でサービスを展開するだけに、非利用者への影響が大きいという、難しい問題にもなってしまった。

最後にあるように、確かにことの本質は福岡特有のものではなく、どこでも起こり得ることだ。しかし、福岡だからこそこの問題が特に顕在化した要素はあると思う。
まず、都市規模に比して貧弱な道路が多いこと。つまり、歩道が無かったり狭かったりするので、バス停から沿道民家までの距離が短く、バスから発せられる音の影響が大きくなる。
また、バス路線網が発達し過ぎていて、どこのバス停でも様々な行先のバスがやって来るため、案内が必須であること。他の地域であれば多数の路線が輻輳するのは繁華街や駅前にほぼ限られる。このような地区では騒音が問題になることは少ないが、福岡では住宅地でもバスが輻輳しているので騒音が特に問題になってしまう。

点字ブロック内に発信機を設け、受信機能が付いた白杖でそこを触ると地理案内をするシステムが開発されているが、このシステムをバス停に設置すれば音声案内を必要とする人だけに音声を提供することが出来るかも知れない。しかし、一度に複数のバスが来た場合は難しそうだ。

ところで、記事にあるように「他の乗客に協力を求める」ということ、確かに協力するのは当然だとは思うものの、実際にその場に居合わせた場合、的確な援助が出来るだろうか。そもそもそこにいる人が障碍者かどうかに関わらず、その人が困っているかどうか、判断できるものなのか。困っているわけではない人にお節介をして逆に嫌がられるのも困り者だと思い、自分ならなかなか行動に移せない気がする。
23:17 | Comment(0) | 交通

2011年05月28日

都バスが東電株で損失

少し古い話だが、東京電力株が無配になることにより、配当を受ける都営バスの収益が減り、赤字転落の恐れとの記事が出た。
ここで興味深いのは、配当を受けるのが東京都でも東京都交通局でもなく、特に「自動車事業(バス)」決め打ちであるということだ。交通局が行っている事業の中で最も電気から縁遠い分野が電力供給の収益を受けるというのは違和感がある。

交通局が東電株を所有していた経緯は上記日経記事にある通り、昔発電事業も主たる事業として行っていた「電気局」という組織の流れであることによるが、日刊ゲンダイの記事によると、電気局から電気事業を分離した際に株式を所有し配当を受ける主体を「軌道事業(都電)」とし、その後都電がほぼ全滅したため自動車事業に移管した、ということらしい。これだけでは一度に移管したのか、軌道事業と自動車事業のシェアの変遷に応じて漸次移管したのか分からないが、後者であるならば現在も軌道事業分の配当収入があっても良さそうなところ、各記事を見る限り全てが自動車事業の収益に計上されているように読める。

そもそも交通局の事業セグメントは、「高速電車(地下鉄)」「交通(地下鉄以外の乗り物)」「電気」の3つの事業会計に分けられている。高速電車が別枠であるのは、特に地下鉄建設や運営に対して拠出される補助金の関係で地下鉄事業の損益を明確にする必要があるからだと思われる。そして、電気事業分離の段階では地下鉄事業は存在しなかったので、東電配当を後から地下鉄の収益に付け替えるということは、労多くして益無しということだろう。しかし、そもそも電気事業を分離したにも拘らず、まだ電気事業が残っているのである。これは小河内ダムの水力発電を行っているからで、実際には戦時中に一旦切り離した電気事業とは連続性が無い(小河内ダムの完成は戦後)が、電力関連の収入ということでこちらに付け替えた方がすっきりするように思う。

平成21年度決算総括表を見ると、自動車事業の営業外収益:その他が2720百万円とあり、記事にある配当25億円より少し多い額なので、配当はここに含まれているのだろう。

それにしても、本来本業のどれにも関係の無い損益を特定の事業に紐付けして、その損益がプラスだからその事業は健全だとか逆に赤字だとかと論じるのはナンセンスではないか。各事業が独立した企業体であれば意味のあることだが、全ての乗り物を合わせての交通局である。例えば今回生じる減収要因を穴埋めするために値上げをせざるを得ないにしても、それを単純にバスに転嫁するのではなく、どの事業でどの程度値上げすれば顧客逸走が最小限で済み、収益増加が最大になるかを考えるべきだろう。
03:04 | Comment(0) | 交通

2011年04月11日

水郡線代行バス

今日から水郡線が運行を再開したが、橋桁破損修復に手間取っている水戸−常陸青柳間のみもう暫く運休で、この1駅間はバス代行となっている。

偶々今日から茨城出張なので、余震に見舞われながらその様子をお届けします。

水戸駅の発車案内板。
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このようにしっかり「バス代行」と表示される。
しかしながらこの「バス代行」の部分、何故か文字を消して緑一色になってしまう時間が長い。

改札内では水郡線ホームへの通路を塞ぐ形で係員が案内板を持って立っているし、その他駅構内の要所要所でプラカード要員が立っていた。

バス乗り場は北口階段を降りて右、3番乗り場と降車場の間。
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ちゃんと「列車代行」表示となっているJRバスが待機中。

バス1台では運び切れないので、案内された発車時刻を待たずに2分程度の間隔で数台先発させている模様。尤もここから乗るのは逆方向なので、各車数人程度しか乗っていないが。

バス停にたむろする係員に切符を見せて乗車。

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車内も「列車代行」。

バスのルートは、水府橋を渡ってすぐ線路に沿って左折するという単純なもの。
その水府橋の先だが、逆立体化に備えて道路は切り替えられていた。
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真っ直ぐ向かう道が旧道で、この上に水郡線の橋桁が覆い被さることになるが、まだそこまで工事は進んでいない。
一方、切り替えられた新道は水郡線の旧線と平面交差するが、この部分は線路は剥がされ、道路として完成している。

代行バスはJRバスだけでなく、茨交、関鉄も応援を出している。
GEDC1194.jpgGEDC1195.jpgGEDC1200.jpg
各社とも、LED・方向幕問わず「列車代行」の表示を用意している車が殆どで、用意がいい。

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常陸青柳駅の200mほど南にある県職業人材育成センターの土地をバスターミナルとして利用。

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ここからは列車代行バスのほか、関鉄が県庁行、茨交が泉町経由茨大前行の臨時バスをそれぞれ運行。どちらも本来なら水郡線から水戸駅経由でこれらのバスで通勤通学する人を救済する意味合いだ。水戸駅発着の通常路線の定期券で利用出来ることも特徴。

水郡線の新旧那珂川橋梁の切り替え地点。
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ここは既に切り替え済。つまり今常陸青柳から南へこのまま走ると県道交差部で墜落します。

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常陸青柳駅は臨時バスターミナルの向きに合わせ、通常と反対側の南端にも出入口を設置。
尚、本来は島式1面2線だが、上り線は封鎖。

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やって来た列車は、残念ながら通常通り「水戸」行だった。
車両交換扱いや極楽橋乗り換えの高野山行きのことを考えれば、間違ってはいないのかも知れない。

この後列車に乗ると、発車直後の案内放送が「次は常陸青柳」…
折り返し運行の設定をすると、どうしてもまずは水戸からになってしまうようだ。

後台で降りて40分歩いて出勤。
不動産広告風に言えば2路線3駅利用可の好立地な会社。但し徒歩時間の上限を1時間にしないといけないが。
22:04 | Comment(2) | 交通

2011年04月03日

東京地下鉄の新年度事業計画

今更ではあるが、東京地下鉄の2011年度事業計画

出張してたんで今まで目が行かなかったんだよ。そりゃホテルでもネットは出来るけど、投宿したらすぐ寝ちまったからね…
というどうでもいい言い訳はさておき。

猪瀬のサンドバッグになっている営団都営統合協議の場で出された施策や、今まで東京地下鉄自身のサイトで告知されていた内容も多く、見覚えのある内容が大半だ。そうは言っても南砂町の線路とホーム増設は随分思い切ったことをするものだと改めて驚く。何もわざわざ地下駅で、とか、東陽町の方が効果があるだろうに、などと思うが、地下駅ではあるが周囲は駐車場等の空き地ばかりで工事用地の確保は容易、しかも地下駅であるが故に土地の完全な買収は不要ということで、一番工事が容易な駅ではありそうだ。

豊洲の折り返し線整備工事は、そこまでの費用対効果があるのかいまいち疑問。
むしろ利便性としては現在のように中線予定地を仮に埋めて両ホームを一体化している状態の方がいいように思う。
勿論折り返しが出来た方が路線支障時の影響を小さくは出来るだろうけど、どうせ大規模工事をやるなら中線を造るよりはAB線間を直接移動出来る亘り線整備の方がいいのでは?と思ってしまう。

銀座線渋谷駅の島式ホーム化は既出情報だが、今回の図でうち1線が車庫に繋がる計画であることが明白になった。兎に角乗り過ごし客の脱出不能問題もこれで解消であるが、井の頭線の乗り換えがまた遠くなる…
銀座線のホームドアは、図を見ると現行最新型の扉のみ窓付きのものから更に進化して、固定柵部分も窓付きになるようだ。これで圧迫感はかなり減ることが期待出来る。しかし、柱を移設までするとはこれまたかなり気合が入った工事だ。
ゆくゆくは全線全駅にホームドアを導入する予定のようだが、一番難しいのは日比谷線の5扉車対応ではなかろうか。山手線のように5扉を廃止することで対応するか?半蔵門線も同様に6扉車問題が発生するが、こちらは東急が最初から6扉車を永久的な措置と予定していないことから、長期的には6扉車が消滅してホームドア設置に支障がなくなるつもりだろう。

駅のバリアフリー化工事も徐々に進むようだが、個人的には方南町の新規着手が興味深い。駅周辺の商店街に「エスカレーター設置を」という幟が出ているほど(エスカレーターでは真のバリアフリーにはならないが)地元から対策が渇望されているも、比較的入り組んだ構造でエスカレーターもエレベーターも設置が難しい。狭い島式ホームから階段を上がる2番出口側にはホーム上にエレベーターの設置余地は無いと思われるので、やるなら線路終端側の1番出口だろうが、どこに土地が捻出出来るのか。
…と、ここまで書いてホーム幅が同じと思われる中野坂上は既にエレベーター設置工事が進んでいることに気がついた。現在の出入口と反対側の西側に新設されるようだが、まさかエレベーターのみということはないだろうから、エレベーターの隣にかなり幅の狭い階段が並ぶことになるのだろう。それが可能なら方南町も2番出口側に設置出来るのかも知れない。

昨年までは文字ばかりの資料だったのに比べ、今年は図解の豊富な添付資料も用意された。猪瀬のパフォーマンスに対抗して広く施策の説得力を持たせる狙いがあるのだろう。勿論分かり易いのはいいことだが。
01:10 | Comment(0) | 交通

2011年03月23日

小田急の節電ダイヤ

会社が暫く休業だったお陰で、まだ平日の節電ダイヤでの通勤は2日しかしていないのだが、様子を述べてみる。

基本的には平日も休日も通常の休日ダイヤで動かしているようだ。平日の朝夕の急行と準急は経堂を通過するが、これも朝の上り以外は停車。従って、6時半頃に新宿から乗車する自分にとっては休日出勤の要領である。但し、当然のことながら日頃の休日出勤と違って客が多いので油断すると席が無くなってしまう。

また、まるで戦時中の如く行楽列車は罷りならんとロマンスカーが完全運休している。しかしながらあくまで基本は通常の休日ダイヤ、ということは(平日でも勿論そうだが)特急に抜かれるダイヤが存在する。そんな列車に乗るとどうなるかというと、退避駅ではしっかり副本線に入って通過待ちの時間無意味に停車する。ダイヤをいじらないといけない停車時間は兎も角、わざわざ副本線に入るのはどうかと思うが…。ポイント切り替えが必要になるからそれだけ貴重な電力を消費するし。

夕刻の新宿はちょっと変わった風景だ。
ロマンスカーが運休する一方、列車削減によりホームの混雑が激しくなることから、ロマンスカーホームも急行系列車に割り当てている。
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すると、ロマンスカー専用の発車案内板に当該ホーム(2番ホーム)出発の列車の表示が出る。イレギュラーなのにここまできちんと出るのは立派だ。しかしながら右側の4・5番ホームから発車する列車とは独立しており、両方見ないとどちらが先に出るのか分からない。
また、右側の「臨時快速急行」という見慣れない種別にも注目。通常の休日ダイヤでは存在しない増発列車だ(より正確にはほぼ同時刻に本来存在する特急の代替)。
尤も、朝方も7:07発町田行きという臨時快速急行が(少なくとも22日ダイヤでは)存在するが、こちらはわざわざ「臨時」とは書いてない。そもそもここまで頑張って「臨時」と表示(放送も対応)する意味を感じられないのだが…。

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中央線路(2号線:3番・4番ホーム)には電灯を消した回送列車が。
最初は単なる留置かと思ったのだが、実はドアを開放して2番ホームと5番ホームの間の連絡通路の役割を果たしているのだ。なかなか細かい気配りである。

GEDC0413.jpg
そして、特急専用ホームに停車する急行。
この線路に入る通勤車両としては、千代田線トラブル時に已む無く行先変更でやって来る多摩急行の営団車両の方がむしろお馴染みかも知れない。しかしそれは必ず折り返し回送になるため、誤乗を防ぐ意味で通常と違うホームに到着するのが理由。従ってこのホームから営業列車に乗れるというのは極めて変わった光景だ。

さて、今日は天候の都合で地下鉄に乗ったが、ほぼ平常ダイヤの丸ノ内線は発車案内板も平常に機能していたものの、副都心線・有楽町線のそれは死んでいた。特に副都心線は渋谷池袋間折り返しというイレギュラー運行を行っているにも拘らず駅での注意喚起放送も無い。勿論時刻表も全く役に立たないので、一体いつになったら電車が来るのかさっぱり分からない。困ったものだ。
00:59 | Comment(0) | 交通

2011年03月20日

震災後の茨城の交通(引き籠り調査)

事業所が機能停止してしまって出張どころではなく、勿論常磐線も動いていないので行こうにも行けない茨城。
でも、状況が気になるのでネットで調べたことを脈絡もなく書き出してみる。

今回の震災の大変なところは、電力と燃料の不足をも惹起したことで、それにより線路が折角復旧しても電車を満足に動かせず、電車が動かないならバスを出そうにも燃料が足りないという、どうにもならない状態になっている。

で、「電車」と書いたものの、電車ではない関東鉄道もやはり計画停電で一部運休等の影響が出た。信号など電気で動くシステムがあるから結局は影響を受けるのだろうが、莫大な電力ではないだろうから自家発電で賄えるようにはしていないのだろうか、とも思う。

さて、運休となっている常磐線の代替で臨時バス路線が幾らか設定された。

凄いのが17・18のみ運行された関鉄の取手土浦線。常磐線が18日に土浦まで運行開始したためにこの2日間だけの運行で終わるという、臨時路線の中でもレアな存在になった。
凄いというのは運賃で、取手土浦間1000円、取手牛久間600円というとんでもないボッタクリ価格である。平常時から存在する土浦水戸間の高速バスが800円であることからしても、唖然とする。
燃料が足りないので増便が出来ず、需要に対して供給が追いつかない、となると需要を抑えるために価格を吊り上げる…というのは一般的な経済原則では基本ではあろうが、それを緊急時の交通機関に適用してしまっていいものだろうか…と疑問に思わずにはいられなかった。

水戸までの足を確保するため、早くから復旧していたTXと結ぶためにつくば水戸線、そして常磐線の一部復旧を受けて土浦水戸線がそれぞれ関鉄の手で運行されている。先に触れた定期高速バスつくば・土浦〜水戸線「TMライナー」の増便の性格と見えて運賃もそれに準じているが、土浦系統が運行開始してもつくば系統とは別立てになっているようだ。そもそも地理的に両方経由するのは非効率であるところ需要が無いから普段は両方を回っているわけで、こういう場合は別立てにするのは当然だろう。

しかしここで、TMライナーの運賃が面白い体系になっていることに気付く。土浦始発でつくばを経由して水戸に行く路線なのだが、土浦水戸間は800円、つくば水戸間が1000円と、遠距離の方が安い。
これは以前はつくば始発土浦経由だったものを経由順を逆にしたのに運賃をそのままにしたという経緯なのだが、それでもどうも釈然としない。元より土浦水戸間では常磐線に太刀打ち出来ないので運賃勝負にならざるを得ないが、つくば水戸間であれば強気に出られるという「市場原理」もまた働いているのではあろうが…。

県央では、茨城交通が面白い施策を打ち出している。燃料不足による通勤難を救済するという名目で、一般路線バスを上限運賃200円としているのだ。これは緊急避難的な対策に留まらず、場合によってはバスの潜在需要を掴む機会になるかも知れない。…と思ったのだが、バス自身も燃料不足で減量ダイヤを余儀なくされており、「やはりバスは不便だ」と思われて終わってしまうのかも。
尚、この措置は当初21日までの予定で、その後は後日検討となっていたが、結局予定通り終了することにしたようだ。効果が薄かったのだろうか。そもそも県内の経済自体が殆ど回っていない状況であろうから、交通手段の観点だけでは効果を算定できないだろうけど。

水戸駅は損傷が激しく、自由通路も開放出来ないため、南口と北口の往来に不便を来している。この救済のため、両側を結ぶ臨時バスが運行されている。運賃は160円。まぁ初乗り運賃であるが、気分的にはそもそも「金取るの?」とすら言いたくなる区間である…。実際には徒歩だろうが車だろうが約2kmの旅行距離になってしまうので、至って順当な運賃という解釈も成り立つのではあるが。

この他茨交が運行を始めたのは、「緊急支援バス」と銘打った鉄道代替路線。本日運行開始の笠間秋葉原線、22日から運行開始の水戸日立線、勝田日立線、水戸大甕線。
笠間秋葉原線は、笠間と言いながら実際は旧友部町役場発着で、狭義の笠間には行かない。その旧友部町役場が今の笠間市役所だから、まぁ笠間は笠間なのだろうけど、違和感がある。東京側の発着地はバスターミナルとして空いている駅を選んだのだろうか。既存路線が無いので免許申請に面倒があったのではないかと思うが。
水戸附近から日立市を結ぶ3路線もなんだか不自然な感じがする。水戸大甕線が「各駅停車」なら、水戸日立間を各駅停車便と直行便に分けるとすっきりするような気もする。…と思ったが大甕以北は日立電鉄が一般及び臨時の路線を出しているから各駅停車便としては大甕まで繋がっていれば充分ということか。
尚、これらは茨交と日立電鉄の共同運行だが、時刻表を見ると後者の担当便がかなり少ない。日立電鉄は本社壊滅という噂もあり、使える車両が少ないのだろうか。元々保有台数がかなり違うから平時の余力の差がそのまま現れているだけかも知れないが。

そしてその日立電鉄では、今まで運行していた大甕〜日立駅〜十王駅の臨時バスに加え、22日から十王駅〜磯原駅の臨時バスも運行を開始する。が、朝夕のみでかなり本数が少ない。限られた車両でやりくりするには「この程度の区間にはこの程度の便数」ということなのか。
これにより、常磐線の通じている土浦から北、磯原までの各駅にバスを乗り継いで行けるようになった…と言いたいところだが、神立〜赤塚間が救済されていない。土浦石岡間、石岡水戸間にはそれぞれ一般路線があるから特段救済不要、後者は常磐線から離れるルートだから中間の友部だけ前記の臨時バスで救済ということか。そして友部、内原、赤塚はこれまた一般路線で水戸に出られると。

…というのを今後出張が必要になった時のためにだらだらと調べているのだが、建物全壊との話なので当分それどころではなさそうだ。
因みにJR水戸支社管内の被害状況が支社のサイトに纏められていた。これはなかなか大変そうだ…。
23:53 | Comment(2) | 交通

2011年02月25日

高速道路の車線増設

東名高速道路の渋滞の名所岡崎附近を車線増設するそうだ。

「増設」ではあるが、「拡幅」ではないところがミソ。車線幅を削ってもう1車線分捻出するという荒業をやってのけると。確かに新東名が開通すれば不要な投資になってしまう可能性が高いから、暫定措置として良い落としどころなのだろう。

さて、この断面図に書いてある通り、東名の車線幅は通常の高速自動車国道の規格である3.5mより10cm広い。まだ現行の道路構造令が固まる前、アメリカの12フィートという車線幅を基準にした結果だそうだ。この高々20cmが今回の車線増設の可否を決定付けた、とは思えないが、若干の余裕が確保出来たことは間違いない。そして、新しい車線幅はきちんと0.25m単位という東名建設以後に作られた基準に則っている。

3.25mあればそれでも一般道路や都市高速よりは広いので充分と思いたいところだが、やはり高速道路なので予断は許さない。しかもこのあたりは自然渋滞が多いのみならず事故も普段から多い気がするから不安ではある。しかしながら、これでもし車線幅員に起因する危険要素が無いと判断出来れば、全国の渋滞多発箇所の車線増設の道が開けることになる。特に中央道など期待したいところ。

一方関越道では、極めてオーソドックスな合流車線延長・登坂車線増設という、本当の「拡幅」。
登坂車線(実際に上り勾配なのにそうは呼ばず「ゆずり車線」としているが)は、自分が遅いことを認識していない車が入らないという致命的な欠陥がある。今回の花園附近は「サグ」であるから、上り勾配に差し掛かったことに気付かずに減速してしまうのが渋滞の原因なので、尚のことそういった車が自発的に左によけることは期待出来ない。従って追越車線を増やす方が明らかに効果的なのだが、右側に拡幅する余地が無いので、道路全体を左にオフセットした上で右に車線を発生させるという線形を悪くする工作が必要になるため、なかなか実施されない。
このようにしてしまった以上は、如何に遅い車に己の遅さを認識させて登坂車線に誘導するかが問題だ。実際に速度を計測して警告を行う速度警告看板があるが、これを逆に利用して「遅い 左へ」と出すというのはどうだろうか。

ところで、延長された合流車線だが、渋滞時にこの部分をどうするべきなのか、非常に悩むところだ。勿論合流車はここを存分に走ればいいのだが、本線走行車がこちらに車線変更するのはどうか?マナー違反とも考えられるが、一方で道路空間を有効活用しているという解釈も出来る。渋滞に悪影響を及ぼすものかどうかは、また離散モデルを組んで解析しないと分からないのだろうが…
01:42 | Comment(2) | 交通

2011年02月18日

乗換改札で運賃二重取り

五反田駅と日暮里駅の乗換改札口で、ICカードを二重にタッチすると乗ってない区間の運賃が差し引かれるというミスがあったらしい。

東急のサイトには、図解付きで比較的分かり易く説明されている。つまり、パターン2は五反田駅で降りようとしたのに間違って乗換改札にタッチしてしまい、そこで気付いて改札を通過せずに本来の出口に向かったということだろう。
一方パターン1のような事象が何故起きるのかはここからでは分かり辛いが、これはもう1社の当事者京成の告知から分かる。つまり、ICカードで私鉄に乗って来て、JRに磁気切符を使って乗り換えようとして操作を間違ったということだ。即ち、このような場合は乗換改札で「磁気切符投入→ICカードタッチ」の順に行うのが正当であるところ、誤って先にICカードをタッチしてしまい、その後磁気切符を投入するとそれだけではエラーになる(ICカードタッチは1番目の客の通常乗り換えと見做され、磁気切符は次の客の投入で別途ここまでの乗車券の投入待ち状態)ので、改めてICカードをタッチしたということだろう。

どちらの場合も、ICカードのフラグ上は一旦JR入場が書き込まれてその僅か数秒後に同じ駅での私鉄出場という扱いになり、その一瞬の間にJRから私鉄駅まで改札を通らずに大回り乗車して来たと扱われたらしい。

実際にはそんな短時間で乗車が出来るわけはないし、このようなミスタッチは想定される事態であることから、一定時間内の連続タッチでは運賃が差し引かれなくなっている筈だが、それがプログラム更新の際のミスで働かなくなっていたのだろう。

普通の切符であれば間違った改札を通ろうとした時点で弾かれるところだが、ICカードでは知らないうちに余計な「運賃」が引き落とされてしまう。それを防ぐためにこういった本来の防護機能はきちんと働くようにしておいて貰いたいものだ。
その意味ではPASMO導入時に私鉄とJRのノーラッチ接続駅にわざわざ設置された「中間改札」は、防護どころか逆にうっかりミスを誘発して多額の運賃を騙し取る(タッチを忘れると遠回りな別のノーラッチ経路の運賃計算とされる)ことが目的としか思えない。そもそもICカードがSuicaとPASMOが並立していて分かり辛いこともあるし、日本の鉄道はソフト面では極めて難解というか不親切であるように思う。外国人客にどうやってこんなややこしいシステムを説明すればいいのだろうか。

ところで、プログラム更新が発生した理由が新駅設置だというが、最近設置した新駅って?? 来月開業の常総線ゆめみ野駅対応に早々に書き換えているのだろうか。未開業の新駅の情報を追加したところで、その駅を使わない限りは(そして使おうにも使えない)何の影響もないわけだから、フライングしても弊害は無いし。
23:08 | Comment(0) | 交通

2011年02月17日

銀座線に新車投入

銀座線に新型車1000系を導入することが発表された。

以前からチラチラ話はあったが、東京地下鉄の最近の附番法則からしても11000系だろうという話があった(実際そう書かれていた資料もあった気がする)が、大胆に(?)先代の形式を襲名するようだ。

しかし、形式名より遥かに大胆なのは車体のデザインそのものですね。ここまで先代を忠実になぞるとは。

ただ、有楽町線が無かった頃の「黄色系がラインカラー」という時代(実際に、有楽町線開業前の銀座線を表す看板のドーナツはこの黄色に近い色だった。有楽町線のラインカラーが単純な黄色でなくややくすんだ「ゴールド」と呼ばれる色になったのも、黄色が銀座線というそれまでの概念を意識してわざわざずらした色にしたものと思われる)とは違うので、真っ黄っ黄に塗ってしまうのは如何なものかという気がする。申し訳程度に帯に01系と同じ配色が残されているが、存在感が薄くてラインカラーっぽくない。懐古主義もほどほどにして、開業当時の色と現在のラインカラーを上手く組み合わせたデザインを考えた方が良かったのではないか?勿論、1編成くらい完全復古調があってもいいけど。

ライトの位置も先代を意識しているが、イラストを見ると眩しくて行先が見辛いのではないかと心配になってしまう。E233等の行先が見辛いということは無いので杞憂だろうけど。

それにしても、ここまですると尚のこと東京メトロシンボルが邪魔ですね。正に「空気読め」なシンボルマーク。

イラストを見ると側面にも行先表示器が設置される模様。他路線に比べて行先の種類が少ないとは言え銀座線と丸ノ内線には不要と扱われていたのが解せなかったが、兎に角これで慌てて飛び乗って実は上野止まりでしたということも減りそうだ。

車内は最近の東京地下鉄の新車の標準スタイルの様子。しかしまだ袖仕切りの形状は試行錯誤が続いているようだ。座席は「クッション性向上」と書かれているが、それは10000系等と比べての話であって、01系と比べたらやはり硬いんじゃないのか…。まぁ多少硬くても16000系レベルならOKだが。

技術的には操舵台車が興味深い。機構イラストまで載せて解説するとはなかなか気合が入ってる。勿論特急形に採用するようなスピードアップ目的ではないのは明らかだが、このように騒音防止という方が効果が実感し易そうだ。早く乗ってみたい。
23:57 | Comment(0) | 交通

2011年02月08日

鉄道各社のホームドア設置計画

国土交通省が取り纏めた各事業者のホームドア設置計画が公表された

これを受けた報道では「285駅に『とどまる』」といった、消極的だと批判するものが見られるが、国交省が設置計画の提出を各事業者に命じたのがほんの2週間前、しかもお上が結果を纏めて公表するのにどうせ1週間くらい掛かっているのだろうから、各事業者の対処期間は僅か1週間。現段階では来年度の事業計画が固め切れていない場合もあろうし、そんな段階で実現が不確実な計画を出して後から不履行を批判されては堪らない。ということで、計画発表は保守的にならざるを得ないところではないだろうか。

束が新大久保について「可能な限り早急に工事着手」とわざわざ言及しているのが象徴的だ。しかし、新大久保駅のリスクが他の駅と比べて高いわけではなく、衝撃的な事故が新大久保で起こったのは偶々だったに過ぎない。いずれ整備をするべきではあろうが、優先順位の策定に当たってはあまり個々の事件に左右されるべきではないと思う。

京王と小田急が新宿のみに具体的計画を提示している。いずれにとっても圧倒的な存在であるターミナル駅だから、取り組みを印象付けるのに最適であるし、線路終端で徐行して入線する駅なので停止位置のばらつきも小さい。しかしその反面、徐行するからこそ転落事故が起きても急停止で間に合い、大事に至るリスクが小さい。実際に運行支障情報を見ていても、人身事故の発生現場としてターミナル駅が出てくることは非常に少ない。費用対効果を考えれば、他の駅を優先すべきではないだろうか。
因みに小田急は地上ホームの乗車ホームだけというのが、実に割り切っている。2・3番線はロマンスカーホームなので設置は困難だろうが、その意味では他の駅は全てロマンスカーが一般列車と同じホームを使うのでホームドア導入は困難だ。今後どのように対処していくのか、それともやはり無理と諦めるか。

大井町線も大井町のみの計画だが、上で述べたような事情だろう。
同じ大井町のみでもりんかい線の場合は実際に費用対効果が一番高い駅を選択したということになろうが、今度は停止位置精度の管理をどうするのかが気になるところだ。京急羽田空港国際線ターミナル駅の例はあるから特に車両側の対策無しで何とかするというのもありかも知れないが、例えばTASCを導入するのであればそれがたった1駅のためでは勿体無いから、結局埼京線・りんかい線全体への設置に向けた先行設置という性格だろうか。
ところで、埼京線は6扉車を撤去するという話にはなっていないと思うが、この対応はどうするのだろうか。6扉車の撤去を含めての「検討中」とか?

大阪市は、補助金の出所を巡って揉めたために出遅れた門真南がクローズアップされた形になっていて面白い。他の路線の選定基準がいまいち分からない(混雑度?)が、御堂筋線に導入するとなると吹田市や堺市との間で門真南問題が発生しないだろうか?
23:16 | Comment(0) | 交通

2011年02月05日

西鉄とJR九州バスが仲違い

かなり古い記事に今更気付いたのだが、高速バス福岡宮崎線「フェニックス」からJR九州バスが抜けて別路線を仕立てることになったそうだ。

原因は、JRが新幹線開業に伴い運行を予定している新八代宮崎線を巡って揉めたことだというが、さてどのように揉めたのか。

勿論西鉄の立場にしてみれば強力なライバルになって収益減少が危惧されるところではあるが、しかし西鉄の営業エリアとは関係無い路線、本来なら西鉄がとやかく言うことは出来ないだろう。
民営化当初のJRバスの恵まれた環境(営業拠点が各地にあり高速バス運行に有利、所管省庁の許可が出易い)故に民間事業者と全国的に生じた軋轢が、ここへ来て感情的に再燃したということだろうか。

一方でJRと言えば(親会社の方だが)駅前広場からの高速バス締め出しという露骨な嫌がらせが知られるところ。その「前科」を鑑みると、JR側が何かいちゃもんをつけたのではないかと勘ぐりたくもなるが、流石に因縁をつける材料は思い当たらない。まさか「新路線に客を誘導するためにフェニックスを減便しろ」なんて言ったということは無いと思うが。

JRバスのフェニックスでの存在と言えば、各社共通の専用塗装でバッチリ固めているところへ真っ赤な車で乱入するというKY振りが思い起こされる一方、「桜島」共々4列車が入ることはまず無く、サービスレベルの維持には貢献していたと言える。

仲間割れによりJRは独自に福岡宮崎線を開設するようだが、本数は少ない上に天神を通らず、利便性は明らかに低い。これで勝算はあるのだろうか。現在JRは本州方面の路線を幾つか運営して好成績を上げているが、これは西鉄が手を出していないからこそ。嘗ては大阪線(夜行)や名古屋線に手を出して見事に西鉄に完敗した実績がある。何となく「意地」でやっているような気がするが、さてどうなるか。

元々西鉄とJR九州は仲がいいとは思えないが、SUNQパスでJRバスも乗れるなど、表面的には取り繕ってきたのだろう。しかしここで本音が出たということではないか。
今後は、「桜島」からもJRが脱退することは考えられるし、SUNQパス離脱もあるかも知れない(バスネットワークの利便性が下がれば、親会社にとっては願ったりだろう)。
まずは、今回JRが運行する2つの新路線、SUNQパスが使えるのかどうか。まさか例外指定をしてまで使えないようにすることは無いと思うのだが、そうした客層を当てにしているわけではないから考えられなくもない。
03:14 | Comment(1) | 交通

2011年02月04日

営団都営一元化検討会議

今日(もう昨日か)の会議で、経営統合は見送り、代わりにサービス面では統合に近づく施策を検討することになったようだ。

勿論経営主体が別々のままでもサービス面で垣根を感じさせないように出来れば、取り敢えず利用者としての利便性は充分だ。しかし、運賃一元化を検討するわけではなく、乗継割引の額を拡大するに留めるというのは、如何にも間に合わせだ。まぁ本当に一元化しようとしたら検討課題が山ほどあるから、すぐには実施出来ないだろうけど。

猪瀬のメディア戦略が奏功して一躍注目物件となった「九段下の壁」は、真っ先に取り払われることになったらしい。大した工事ではないとは言え年内に実施と言うから素早い。とは言うものの、これで乗り換えが便利になるのは半蔵門線渋谷方面から新宿線新宿方面への流動だけで、赤坂見附や表参道の対面乗り換えに比べて需要がある動きではないことは指摘しておきたい。猪瀬の宣伝にテレビ局がまんまと乗せられて、壁の撤去で劇的に利便性が向上するかのような言い回しばかりが目に付くので、多少冷静に見ておきたい。

この他に記事に上がっている話としては、本郷三丁目の連絡通路設置。確かに出来るものならやるべきだとは思うが、どのような形になるのか。丸ノ内線のホームは非常に浅く、改札が地上にあるという変則的な駅なので、大江戸線から地下通路を延ばしてきてもこの改札に繋ぐために結局地上に上がるのでは意味が半減する。大江戸線コンコースからそのまま丸ノ内線1番線ホームに繋がるような設計が出来るかどうか。

他には六本木と浅草の改札共用化が出ているが、どちらの駅も現状で互いに改札がかなり離れているものをどうやって統合するのか、というより、そこまでして統合する価値があるのか。下手に統合すると逆に自由通路が分断されて不便になってしまう。大衆受けがいいように駅構造は二の次で観光名所をピックアップしただけという安易な役人発想ではないかと懸念する。
00:59 | Comment(0) | 交通

2011年01月20日

鹿島鉄道跡BRT利用者増

鹿島鉄道廃線跡をバス専用道として整備して路線を移した結果、一般道経由時代より利用者が15%増えたとのこと。

まずは喜ばしいといったところだろうが、利用が増えたのは本当に定時性向上だけが理由だろうか。BRT化に合わせ、ラッシュ時を中心に過剰なくらいの増便も実施している。これによる利用増もあるのではないか。
何故そちらの要因をどちらかというと否定的に捉えるのかというと、費用対効果の面である。現在バスは1日55往復だが、BRT化前は36往復。5割以上増便して15%しか利用が増えていないとなると、かなりお寒いものがある。まぁ、それでも1便あたり8人乗っている計算なので、田舎にしては優秀な部類と言えようが…。

そもそもは1日1600人の利用を見込んでいた(お役所得意の過剰需要予測だろうが)わけだから、900人ちょっとという数字はまだまだ少ない。そして更に鉄道時代には、末期でも1日2100人が利用していた(但しバスの統計と違い小川鉾田間の利用も含まれるので、多少有利に出る)わけで、その半分にも届いていない。バス転換で劇的に利用者が減るという全国共通の問題が克服されたとは言い難い。バス転換に伴い運賃が大幅に上昇することもお決まりの問題のひとつだが、ここに関しては関鉄グリーンバスの企業努力の賜物か、運賃は鉄道時代とほぼ同じに抑えられており、その意味では利用減少の理由の1つは取り除かれている。その意味では、それなのにこの体たらくか…という感想にも繋がる。

バスが鉄道に比べて劣る代表的な要素は、「スピード・定時性」「運賃」「知名度」であろう。このうち運賃は前述の通り問題無い。スピード・定時性もBRT化で劇的に改善した。後は知名度だろうか。田舎なので広報は容易だと思われるが、まだ周知徹底の余地があるのだろうか。
02:02 | Comment(0) | 交通

2011年01月16日

新宿WEバスの新ルート

以前東京新聞で路線改変の予定が記事になっていたが(既に記事は消滅)、広報しんじゅく[PDF]に新ルートの詳細が掲載された。

ルートは以前の記事のとおりだが、ここで停留所の位置が明らかになった。現行ルートでは停留所密度の低さが気になったが、新ルートでは特に新宿通り上で都バス停留所+α(「新宿二丁目仲通り」の分)の設置となったので、まぁまぁといったところか。

歩行者天国ルートでは靖国通り経由だが、現在と逆方向になるのに相変わらず都バスより停留所が少ない。イレギュラールートとは言え、きめ細かい対応をした方がいいと思うが…。しかも今回は、現行ルートで新宿五丁目に停車しない理由とされる、右折車線への移動という困難も無いのだし。

蛇足だが、新宿駅東口バス停はホコ天時にははとバス乗り場に化ける。つまりはとバスに限ってここに侵入させているので、同等の規制でWeバスも入れようと思えば入れられる筈。まぁ、歌舞伎町バス停と違って壁の前だから、そうまでするメリットは極めて薄いが。

新宿駅から新宿御苑まで歩く人はそこそこ見かける。歩くには微妙な距離かと思われる(貧民基準なら当然徒歩なのだが)ので、100円バスのターゲットとしては妥当と思われる。新宿駅を出た人に如何にバスの存在に気付かせるかが鍵になりそうだ。

現行ルートより長くなるところを同じ台数で回すと思われ、運行頻度は低くなる。まぁこの程度なら利便性の観点からも許容範囲か(乗車密度の観点からするともっと下げるべきだろうが)。また、夜の需要は無いと見たのか、終バスが1時間繰り上がっている。夜は特有の需要を見込んで歌舞伎町循環などにしても面白いと思うが:p
18:03 | Comment(0) | 交通

2011年01月15日

いわさきが連節バス運行開始

以前から掲示板(手前味噌でスマソ)で存在確認がなされていたが、いわさきバスネットワーク(分かり辛い社名何とかならんか)が京成から買った連節バスを運行するとのこと。

中古連節バスというと旭川電軌の先例が想起されるが、冬季の波動需要対応ということもあって存在感があまり高くなかった。勿論客集めのために走らせるものではないから、存在感はどうでもいいのだが…
鹿児島は長崎ほどではないが平地が少ないため、市街地の密集度も高くバスの分担率も高いと思われる。鹿児島市営バスの運賃が全国最低賃率なのもその表れだろう(南国交通やいわさきは市内の稼ぎが圧倒的に広い周辺路線の赤字に食われてしまうので、賃率を低くは出来ないと思われる)。従って、いわさきにしてみても鹿児島市内線ならドル箱ということでこのような投資に繋がったのだろう。
これが長崎だと、平地が少な過ぎて道路環境も劣悪なため、このような車両を物理的にもなかなか走らせることが出来ないだろう(ノンステも床下を擦る懸念から普及が遅い)。

いわさきは今までも鹿児島市内で市営のドル箱路線にぶつけた新路線を開設し、車体に「官より民」「補助金は受けません」と挑発的な文言を書き付けて運行していた(そしてその一方で、半島部では多額の補助金を要求)ことで話題且つ糾弾の的となったが、今のところ真っ白なこの車両はどうなるのだろう。観光客の利用も相当数当て込んでいるとなると、…グループのホテルの広告だろうか…。

更に、市営の観光路線「かごしまシティービュー」にぶつけた新路線まで運行すると言うから、何ともはや。宇野自動車みたいに定期券の割引率が低いとか簡単に撤退するという欠点があっても、低賃率で高収益を上げるという筋の通った方針が貫かれていれば批判も出にくいだろうが、儲かりそうなところでは横取りを企む一方、田舎では補助金を露骨に要求するという態度はどうなんだろうか。まぁ、ここまで目立つ手法を採らないだけで、内実はどこのバス会社も似たようなものだが…。
00:03 | Comment(0) | 交通

2011年01月11日

危険な信号

福岡市博多区に危険な信号がある。
どうせなら福岡滞在中に記事にすることだっただろうが…

場所は南福岡駅近く、駅のすぐ北の踏切の西側にある寿町という五差路の交差点だ。
残念ながら交差点の写真を撮り損ねたので、Googleストリートビューを参照されたい。
リンク先で、手前側が踏切である。この交差点の幹線である県道49号線が手前から右斜め前方方向へと繋がる。

何が危険なのかと言うと、交差点手前側からの信号と、右斜め前方の横断歩道の信号が同時に青になることだ。
道路形状上の直進方向が一方通行で進入禁止であることもあり、交差点手前方向からの車輛はその殆どが県道をトレースして右前方へ向かう筈だが、その進路を横切る横断歩道が同時に青信号なのである。右折するにしてもやはりこの横断歩道と交差するので、左折しない限り青交通同士が錯綜する。
リンク先の写真でもよく見ると同時に青になっていることが確認出来る(が、何分合成写真であるから、2つの信号の部分が互いに別のタイミングの写真ではないかと言われると反駁は困難。継ぎ目は見当たらないので1枚の画角内だと思うが)。

このような危険な状態は地元で問題になっていないかと検索してみたが、このことに言及しているものは見当たらない。自分が車で通行した際はこの事実にぎょっとしたものの、横断歩行者がいなかったことから危険な目には遭わずに済んだ。ひょっとすると歩行者が少ないので問題が顕在化していないとか?…駅至近なのにそんなことは無いと思うが…。

因みに、手前からの信号が青の際は対向方向は赤である。「直進」が交差点で屈曲する場合は安全のため両方向の信号を同時に青にはしないことが多いが、そういう配慮はしているらしい。

以前福島県内で交錯する2方向の信号が同時に青になっていることが発覚して問題になったが、こちらはどうだろうか。車輛と横断歩道であれば通常の交差点でも右左折すれば交錯するのは普通だから、問題は無いということなのだろうか。
23:29 | Comment(0) | 交通

2011年01月09日

JR西日本が複数の扉パターンに対応するホームドア開発

酉とその子会社が、3扉車と4扉車双方に対応するホームドアを開発したそうだ。東大の須田研究室では扉と戸袋・機構部一式を移動可能として、次に来る列車の扉位置に扉を移動するシステムを研究しているが、こちらは扉パターンを限定することで既存システムからそれほど飛躍のないものが出来たようだ。

ミソは3扉車中央扉用の扉の戸袋がすぐ隣の4扉車用扉の真裏になることで、これにより中央扉は開閉どちらの状態でもごく狭い幅の保持部でのみ支えることになること、また両脇の扉を中央扉側に引き込むとこれがホーム側になってしまい危険なことから逆方向へ引き込む片開きにするしかないことが大きな要素だ。
前者については、戸袋が両側の扉で横位置が重なっていて前後にずれている様態は既に存在するし、保持部分が狭いことも現在のホームドアの閉状態と同じようなものだから、それほど技術的な課題は無かったのではないか。車両側に扉の可動部が露出することになるが、1段下降窓の車両ならホームドアの高さまで窓を開けることは出来ないので、乗客との干渉も問題にはならないだろう。
むしろ単純ながら問題が大きそうなのは後者だ。片開き扉だと当然のことながら開閉時の移動距離が大きい。開閉時間を短縮しようとすれば動作を速くすれば良いが、あまり速くすると危険だ。さりとて速度をそのままにしては全体の乗降時間を延ばす要因になる。このあたりをどのように検討し、折り合いをつけたのかが気になるところ。

ホームからの見通しが悪くなるのは残念だが、安全性が増すのだからホームドアの拡充は大歓迎だ。むしろ、ホーム端という危険な環境が最近まで世の中で放置されていたことこそ不思議でならない。記事中で触れられている連結部からの転落事故は、近年外幌という形で予防が図られているが、地上側でも連結部が停止する位置に柵を設けることは、車両の構造によらず車両長はほぼ一定なのだから容易な筈で、技術開発を待たずともすぐ出来る施策だろう。

一方で、放置されているからといって以前に比べてその危険性が増したわけではないのに、事故が大幅に増えているというのは気になるところだ。「酔って転落が多い」と書いてあるが、最近は酒を原因とするトラブルが以前に比べて目立つ様相だ。「将来に希望が持てない」と言われるような殺伐とした社会情勢が、悪酔いを加速させ、トラブルや事故を増やしているのだろうか?
00:33 | Comment(2) | 交通

2011年01月02日

JR九州が豪華ツアー専用車両を計画

西日本新聞の元旦の紙版に掲載されるも、Web上では見当たらない記事。福岡に来た甲斐があった:p
http://twitpic.com/3md8th

半年くらい前に社長が構想をブチ上げていたらしいが、ここに至って正式に事業計画に盛り込み、話が進展した模様。

車両のデザインイラストが、何故か内装のみカラーで外観はモノクロ。これを見ると、内装は如何にもな水戸岡デザインで個人的には食傷気味だが、世間では相変わらず受けがいいみたいなので、これでいいということなのだろうか。外観は251系の正面周辺を更にガラスだらけにしたような印象で、強度は大丈夫なのかと思ってしまう。実際に出て来る代物は、イラストよりかなり大人しい印象になる可能性もあるが。

記事中にある水戸岡氏の著書を読んでいないのだが、定員30人で6両か7両を繋ぐとは実に贅沢な設計だ。ラウンジ等で3両くらい使うとして1両10人。カシオペアのスイートやデラックスの付いた車両が定員8名なので、同程度の設備だろうか。

想定されているモデルコースが既に違うが、九州一周といえば鹿児島線と日豊線を使ってぐるっと回る形が標準だ。そうすると肥薩おれんじ鉄道も通過することが考えられるが、どうするのだろうか。湯布院経由を想定していることからして電車ではないから、電気式列車だと通行料が嵩む同線内は割安になるであろうが、それでもここは避けて肥薩線経由などとするのだろうか。

車両の製造を自社で検討しているところも興味深い。しかし業界の力関係を考えると、自社で製作するよりメーカーに押し付けた方が安く済みそう(勿論メーカーは丸損させられる)な気もするが…。
23:52 | Comment(0) | 交通

2010年12月15日

高速道路の「公団ゴシック」廃止

高速道路標識のフォントを、所謂「公団ゴシック」を今後は取りやめ、「ヒラギノ」にすることになったそうな。
半年も前から高速道路3社で決めていたことらしいが、3社のサイトを見てざっと探してみたがそんなことを告知した形跡は無い。一般向けにはどうでもいい情報と判断したんだろうか。今時記者クラブ向け発表であっても同時にWebに載せるだろうから、これはプレスリリースすら出されず、朝日の出入り記者が偶々掴んだ情報ということだろうか。

個人的には高速道路というのは非日常の空間なので、この書体を見ると旅行に来たという気分になるのだが、そんなのはことの本質ではない。

また、「高速自動車国道」であれば当然この「公団ゴシック」を使うわけだが、そうではない見かけ上の高速道路は道路規格や自動車専用道路であるか否かに加え、看板のフォントが一般フォントか公団ゴシックかによっても、その道路の位置付けを知る材料になるという面もあった。こんな観点からでは間違った分析になりそうではあるが。

一般道の案内標識は当然普通のフォント(丸ゴシック)で表記されているが、その中で案内方向に高速道路があると、その部分だけ緑色になっているのは勿論のことフォントも公団ゴシックになっていて存在感を主張している…という場合もあるが、緑で目立っているのであってフォントが違うから目立っているということは無いだろう。

小さい液晶画面やLED表示でドットが足りずに画を省略するのはよく見られるし、そうするより他にどうしようもないこと(京都市営バスが行先表示を頑なに幕を続けているのは、一説にはLEDのそういう点を問題視してのことだとか)だが、看板はそういう制約は無いわけで、公団側が勝手に考えた「この方が見易いだろう」という論理(本当に見易いかどうか検証されたことはあるのだろうか?)は、利用者からの「字がおかしい」という意見に押されてしまうのは、当然の帰結とも言える。

個人的に一番気になる字は「州」。3つの点が横に結合されて、「川」に横線を引っ張った字になっているのだ。これはかなり違和感がある。
因みにこの字が出て来るのは「九州」だが、高速道路を西へ進むと、案内看板にはその先の具体的な都市名が書かれているのが普通なのに、何故か下関の先は「九州」となっているのも、本題と関係ないが気になるところ。

とは言え、趣味的には面白い存在であることは間違いなく、今後だんだん消えていく運命なのは寂しいものがある。
00:19 | Comment(0) | 交通